走っている途中で「ハイブリッドシステムチェック」の表示が出て、エンジンチェック、プリクラッシュ、VSCの警告まで一度に点いた。クラウンハイブリッドやレクサスGS450hで、こうした相談をよく見かけます。インバーターが壊れたのでは、と心配する声も多いのですが、修理まで分かった実例を集めると、ほとんどが駆動用バッテリー(ニッケル水素電池)の劣化でした。症状の見分け方と、新品・リビルト・リペアの費用、保証で0円になった例までまとめます。
警告の原因を確かめる
典型的なのは、ハイブリッドシステムチェック(または故障)の表示と同時に、エンジンチェックランプ、プリクラッシュセーフティ、VSC、三角の警告灯がまとめて点く出方です。AWS210では警告とともに走れなくなった例がある一方、S200では警告が点いたり消えたりしながら約900km走れた例もありました。
| 状況 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 故障コードP0A80・P0A7F | 駆動用電池の劣化(内部の異常、電池パックの劣化) |
| 電池とセンサーのどちらか区別しにくい | ボルテージセンサーの故障 |
| 補機バッテリーが弱っている | 電圧が不安定で、警告がまとめて誤って出ることがある |
| 電池を替えた直後に別の警告(GS450h) | スロットルボディの汚れ |
決め手は、診断機で読む故障コードと、電池のブロックごとの電圧差です。警告は診断機で消せますし、補機バッテリーのマイナス端子を10分以上外しても消えますが、本当に劣化していれば1〜4週間で再び点くとされていました。まず補機バッテリーの電圧を確かめ、次に故障コードを読む、という順が無駄のない進め方でしょう。
インバーターの故障はどのくらいあるのか
クラウン(AWS210・GWS204)で、インバーターが突然止まり、修理費まで分かる実例は今回見つかりませんでした。GS450hで「電池とインバーターが壊れてディーラーで82万円」という話が部品屋のブログに載っていましたが、本人の記録までは確認できていません。インバーター周りで確認できたのは、GWS204(13年・9.6万km)で冷却用のウォーターポンプを予防的に替えた記録くらい。警告が出たときに最初に疑うのは電池、インバーターは少数派、という頻度で考えてよさそうです。
出やすい時期
実例の距離は、AWS210でH25年式・13.2万km、11年・12万km、2016年式・14.4万km、H28年式・25万km、10万km未満も。S200は14.5万km、GS450hはH24年式・13万km、GWS191で約14万km。サイトによって「15〜20万km」「25〜30万km」と書き方はばらばらですが、実例を並べると10年前後・12〜15万kmが中心でした。
どうやったら直るか
新品・リビルト・リペア・中古
直し方は駆動用電池の交換で、必要に応じてボルテージセンサーも替えます。ディーラーでは新品、民間の整備工場や専門店ではリビルト(1年保証が中心)、リペア専門店では劣化したセルを入れ替える方式(グレード別に保証半年〜2年)が選べました。中古は安いものの保証がなく、再び故障するリスクがあります。
作業は、トランクの内張りとリヤシートを外し、AWS210ではリヤのエアコンユニットも外してから、約60kgの電池を2人で降ろす流れ。4〜6時間かかります。リペア専門店の中には、リヤクーラー付きの210には対応できないところもありました。
放置するとどうなるか
警告を消しても劣化は戻らず、いずれ再発します。走行中に止まる可能性があると整備工場は注意していました。警告が点いたり消えたりしている段階なら、遠出の前に診断を受けておくと安心です。
電池を替えたあとにも注意点があります。GS450hでは、リビルト電池に替えた直後にスロットルボディのカーボン汚れで別の警告が出た例がありました。古い電池では出なかった不調が、電池が元気になって表に出ることもあるようです。交換を頼むときは、補機バッテリーの点検やスロットルの清掃もあわせて相談しておくと、二度手間を防げます。補機バッテリーはS46B24Lという型で、弱ると誤警告の原因になると整備工場が書いていました。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| AWS210/211 | リビルト電池(6時間) | 整備工場 | 198,000円 |
| 210 H28 25万km | リビルト20万+工賃3万 | 整備工場 | 約23万円 |
| 210アスリート | リビルト電池+センサー+工賃(税8%時) | 整備工場 | 254,320円 |
| 210 | 新品電池261,800円+工賃22,000円 | ディーラー | 283,800円 |
| 210 11年 12万km | ハイブリッドシステム故障の修理 | 不明 | 約37万円 |
| GS450h GWL10 H24 13万km | リビルト198,000+工賃38,000 | 整備工場 | 259,600円 |
| GWS204 13年 9.6万km | インバーター冷却ポンプの予防交換 | ディーラー | 約5.6万円 |
| S200 14.5万km | 新品電池(約30万円相当) | ディーラー | 0円(認定中古車のハイブリッド保証) |
| 210 RS 2016 14.4万km | 電池+センサーを新品に | 中古車店 | 0円(販売店の長期保証) |
新品はディーラーで28万〜30万円、リビルトは民間で20万〜25万円、差は5万〜10万円ほど。リペア専門店の料金表では、210で13.2万〜31.9万円、204で14.3万〜34万円と、グレードで幅がありました。ボルテージセンサーは4万〜5万円で、同時に替えることが多い部品です。
見落とされがちなのが、中古で買ったときの保証。認定中古車のハイブリッド保証や販売店の長期保証で、30万円相当の交換が0円になった例が2件ありました。購入時の保証書を一度見直してから見積もりを取りたいところです。なお、駆動用電池やインバーターを対象にしたリコールや保証延長は、今回の調査では見つかっていません。
同じ時期に重なるもの
10年・12万kmを超えたクラウンハイブリッドは、ボルテージセンサー、エンジン用の電動ウォーターポンプ(突然止まるとオーバーヒートにつながる)、補機バッテリー、ショックアブソーバーのオイル漏れと、ほかの部品も順番が来る時期です。プリウスの同じ警告はハイブリッドシステムチェックの記事、エスティマの電池はエスティマハイブリッドの記事にまとめました。