メーターに「IMAシステム点検」の表示が出て、残量計が満タンになったかと思うと、すぐ空まで落ちる。発進でモーターのアシストを感じなくなった。CR-Z(ZF1・ZF2)やインサイト(ZE2・ZE3)、フィットハイブリッド(GP1)、フリードハイブリッド(GP3)など、ホンダのIMAハイブリッドで年数が経った車によく出る症状です。ただ、IMAの警告灯がバッテリー本体の寿命とは限りません。数万円で直る原因との見分け方と、交換になったときの費用を、車の値段と並べて整理しました。

バッテリーの寿命かどうかを確かめる

整備記録で最もよく出てくるIMA警告灯の原因は、バッテリーの冷却ファンです。インバーターとファンは同じヒューズを使っていて、ファン内部がショートしてヒューズが切れると充電ができなくなり、12Vのバッテリーまで上がってエンジンがかからなくなる。GP1の17万kmでは、コネクターを外すとヒューズが切れなくなったことでファンのショートと特定していました。

症状 疑わしい原因 故障コードの例
残量計が満タンと空を行き来する、燃費が徐々に落ちる、再始動で表示が一時的に消える IMAバッテリーの劣化 P0A7F(容量の著しい劣化)
突然の警告、ファンの大きな音、セルモーターで始動する、パワステが重い、「充電ができません」 冷却ファン、ヒューズ P1634(インバーター回路)とヒューズ切れ
ファンを替えたのに再発 コネクターの水分、セル電圧センサー —

先に残量計の乱れや燃費の悪化があればバッテリーの劣化、急に警告が出てファンの音やヒューズ切れ、始動不良を伴うならファンや電源側、というのが大まかな見分け方です。最後は診断機でコードを読むしかなく、診断料は4,000〜5,500円ほど、ディーラーで17,880円の例もありました。82,365kmのインサイトZE2で使える容量が19%まで落ちていた例があり、新品の40〜50%程度になると交換の判定になると書く整備工場もあります。

寿命の目安

ニッケル水素電池の寿命は15万〜20万km、12〜13年目あたりから不具合が出始める、とホンダの整備士が書いていました。短距離ばかりの使い方でも劣化し、5年で交換判定になったGP1の例もあります。冷却ファンが止まったままだとバッテリーが高温になって劣化が進むので、ファンの故障を放置すると、そのあとバッテリーまで弱るという連鎖が起きかねません。

どうやったら直るか

ファンやヒューズなら数万円

原因が冷却ファンなら、交換で2万〜5万円ほどで直ります。12Vバッテリーがファンの巻き添えで上がっていれば、それも一緒に替えることになるでしょう。IMA車はモーターでエンジンをかけるので、12Vバッテリーが弱ってきても体感で気づきにくい、という指摘もありました。

バッテリー本体の選択肢

劣化した電池は、新品、リビルト(中古の電池を再生したもの)、中古、劣化したセルだけを替える修理の4つから選びます。深く放電させてから充電し直すリフレッシュで一時的に戻ることはあるものの、効果は長続きせず、最後は交換になるのが多数派でした。中古はネットで2万〜4万円台の出品がある一方、品質と安全面から勧めない整備士もいます。注意したいのはCR-ZのZF2。リチウムイオン電池で、中古もリビルトも市場に無く、純正の新品しか選べないという報告が複数ありました。

放置するとどうなるか

電池が弱ってもエンジンだけで走ることはでき、部品待ちの間に200km近く走れた例もあります。ただアシストが無くなり、燃費は大きく落ちる。ファンの故障を放置すると12Vバッテリーが上がって走れなくなるおそれがあり、こちらは早めに手を打ちたい故障です。保証はハイブリッド専用部品として新車登録から5年10万km。保証延長はシビックハイブリッド(FD3)の7年16万kmだけで、すでに期間を過ぎています。IMAバッテリー本体のリコールは見つかりませんでした。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
CR-Z ZF1 冷却ファン交換 — 26,290円
フィットシャトルHV 冷却ファン交換(診断込み) ディーラー 39,380円
フィットHV GP1 2012年式 ファン・パワーリレー・ヒューズ(診断込み) ディーラー 51,749円
フィットシャトルHV リビルト電池+ファン(6時間) 専門店 99,000円
CR-Z ZF1 16万km リビルト電池(中古パック+再生作業+脱着) 整備工場 145,200円
インサイト ZE2 20万km 電池交換 整備工場 165,000円(電池135,300+工賃29,700)
CR-Z ZF2 後期 ファン+純正新品リチウム電池 整備工場 約35万円
CR-Z ZF2 中期 純正新品リチウム電池 ディーラー見積もり 397,000円(中古車の故障保証で負担0円)

ファンで済めば3万〜5万円、民間のリビルト電池なら10万〜15万円、ディーラーの新品は25万〜40万円で、2〜3倍の差があります。インサイトでディーラーに35万〜55万円と言われ、専門店のリビルトを約10万円で入れた例もありました。比べたいのは車の値段です。CR-Zの中古車相場は平均で約81万円、古いZF1は15万円前後からで、ZF1やGP1では電池の交換代が車の価値を上回りやすい。17万kmのGP1では、ファン約5万円と電池約15万円の見積もりを見て乗り換えを選んでいました。中古車の故障保証で40万円近い交換が0円になったZF2の例もあり、買ってから日が浅いなら保証を最初に確認しておきたいところです。

同じ時期に重なるもの

IMAバッテリーが寿命を迎える年数の車は、冷却ファンやパワーリレー、12Vバッテリー、インバーターやモーターのセンサー、そして発進クラッチ式のCVTのジャダー(ホンダのCVTジャダーの記事)と、電装と駆動系の不具合が並ぶ時期です。電池を替えた翌年にCVTで別の出費、という流れも考えられます。中古で買う人なら、残量計が乱高下しないか、ファンから異音がしないか、診断機での履歴、電池の交換歴を確認しておくと安心でしょう。トヨタのハイブリッドの電池の話は30プリウスの記事にまとめています。