ワゴンR、エブリィ、ラパン…

といいますか、スズキのK型エンジン全般に言えることとでも言いましょうか、K型エンジンの始動時におけるガラガラした異音に悩まされている方は、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
- 朝一のエンジン始動時
- 数時間止めて再始動時
にガラガラッ…!
と鳴る。こんな症状かと思います。
かけ始めの一瞬だけガラガラ鳴るだけなので、気にならないといえば気にならないのですが、やはりいつものことなので耳障りといいますか、
このエンジン大丈夫なの!?
と思ってしまいますよね?
ここではその異音の原因と対策について記載しています。始動後も鳴り止まないエンジンの異音(ずっと鳴り続けている異音)については、こちらのエンジン異音ページをご覧下さい。
エンジン始動時の異音の原因
同じK6Aエンジンでも、実はいくつかの種類があります。
大きく分けるとターボ付きエンジン、ノンターボエンジンになりますが、もう少し細かく分けますとVVTエンジンや直噴エンジンなど、同じK型といえど数多くの種類があるのです。
これは、エンジンブロックの設計はほぼ共通なのですが、エンジンの上半分…、つまりヘッドと呼ばれる部分を少し変えることによって、馬力の発生する特性などを変化させているのです。
VVTエンジンの部品が異音の原因
今回はその中のVVTエンジン。可変バルブタイミングという機構を搭載したエンジンが今回の問題児です。

VVTエンジンの見分け方は、外観から見ると左の緑丸印のように、出っ張りがあるものがVVTエンジン。右の赤丸印のように、出っ張りがないものがVVTがついていないエンジンで、始動時にガラガラ言うものは出っ張りのあるVVTタイプのみになります。
VVTのカムシャフトの耐久性
実はこのエンジン、走行距離が多くなってきたり、年数が経過したりしてくると、カムシャフトについているVVT機構の耐久性のもろさからズレが生じて部品が変形し、ガラガラとした音が発生してしまうのです。
ちょっと以下の写真をご覧ください。

これは、そのVVT機構がおかしくなって異音が出始めたK6Aエンジン。一番右の写真はエンジンをバラした全体図を写し、真ん中から左へ行くにつれて、拡大して写しています。
どうですか? 穴が変形しているのがわかりますよね?
本来この穴はキレイな丸い円になっていて、ここにピンが刺さっているのですが、この部品の耐久性のなさから、楕円形に変形してしまっているのがわかるかと思います。楕円形に変形しているところに元々のキレイな円柱形状のピンが刺さっているわけですから、スキマが生じて異音が出ているということですね。
なのでエンジン全体にオイルが回っていない始動時は、そのスキマでピンが暴れるために、「ガラガラッ…」という異音が発生するわけです。原因は一目瞭然。残念ながら
音が出ているエンジンは既にこの状態
になっているのです。
異音を直すにはどうすれば良い?
一体、こうなってしまったエンジンは、どうすれば良いのでしょうか?
すでにこの状態に変形してしまっている部品です。残念ながらこうなってしまったエンジンは、
カムシャフトの部品ごと交換をする
しか直す方法はありません。
そしてこの症状は、保証範囲内であれば無償で直してくれるのですが、5年以上経過して新車保証が切れたエンジンや、10万キロ以上の距離を走ったエンジンで発生しやすく、完全に保証対象外の扱いとなっていて、さらには人の命の危険性に直接関係しないせいか、
スズキはリコール扱いにはしていない
のです。
修理代としてはどれくらい?
このメーカーの体制に疑問を投げかける声も多い中、これを修理するにはカムシャフト本体やチェーン周り一式を交換する必要があります。それには部品代と工賃を合わせて
約15万円前後の出費を覚悟する
必要があります。そして今回修理しても、カムシャフトの材質強度不足が元々の原因ですから、同じ材質のものに交換するので、直してもまた必ず異音が出ることは理解しておきましょう。
K6Aエンジン異音3つの選択
エンジン異音をどうすれば良いのか
- ある程度の年数が経っている
- 自然には直るものではない
- 自分でエンジンをバラせない
と、カムシャフト異音に関しては、とにかく面倒なことになってしまっていると思いますが、ここではこれからどうすれば良いのか、3つの解決策をお話ししています。

今のまま走り続けていると、異音がどんどん大きくなっていくばかりか、時と場合によっては止まってしまいかねません。ですが
・何年乗り続けるのか
・金銭面での問題
・愛車の残存価値
をお考えになられた方が良いでしょう。特に「何年乗り続けるのか」と「愛車の残存価値」は重要で、あまり長く乗らない車に高額なお金をかけて修理するのも考えものです。
愛車の価値とのバランスを考えて修理するようにしましょう。
2放置しておく
次に、あまりおすすめはできませんが、放置しておくという選択肢もあります。

急に止まってしまうかもという危険を多く孕んでいるので、できれば早く対策するべきですが、
・そろそろ乗り換えする予定
・金銭面で本当につらい
・直すほどの価値もない車
ようであれば、放置の選択もやむを得ないかもしれません。
ですが高速道路走行中や、右折しようとした瞬間に止まってしまうことを考えると、
放置の選択は恐ろしいものとなりますね。