ヘッドガスケット抜けとは?

ヘッドガスケット抜けが実際に起こると、

「どんな症状なのか」
「修理費はいくらかかるのか」
「どうすれば良い選択なのか」

など気になる点が増えてきます。

エンジン内部の密閉に関わる重要な部品であるため、トラブルが起きると走行に影響が出ることも珍しくありません。

ヘッドガスケット抜けの症状や原因、修理内容、交換工賃の目安などについて順番に整理していきましょう。

そもそもヘッドガスケットとは?

ヘッドガスケットとは、エンジンの「シリンダーブロック」と「シリンダーヘッド」の間に挟まれている密閉用のシール部品のことです。

エンジン内部では、燃料と空気が圧縮されて燃焼して、大きな圧力と熱が発生します。その圧力やガスが外に漏れないようにするのがヘッドガスケットの役割なのです。

エンジンの構造は大きく分けると、

  • シリンダーブロック
  • シリンダーヘッド
  • その間にヘッドガスケット

になっていて、シリンダーブロックには、ピストンが上下運動するシリンダーがあり、シリンダーヘッドにはバルブやカムシャフトなどが組み込まれています。

この2つの部品の接合面には、わずかな歪みや凹凸があるため、金属同士をそのまま合わせるだけでは密閉できません。

そこで、間にヘッドガスケットを挟んで完全に密閉する。

燃焼ガス、冷却水、エンジンオイルの3つは、それぞれ別の通路を通っているので、混ざってしまうとエンジンとして機能しなくなってしまいます。そのためヘッドガスケットは、エンジンの密閉性能を支えるための重要な部品というわけなのです。

また近年ではメタル製が主流となっていますが、少し前のエンジンでは、グラファイトなどの複合材を使用したガスケットが使われていました。

ヘッドガスケットが
抜けたらどんな症状に?

ヘッドガスケットが損傷すると、エンジン内部の密閉が保てなくなり、さまざまな症状が現れます。

症状の出方は車によって異なりますが、ステップを5つに分けて考えるとわかりやすいでしょう。

1冷却水が減る

いわゆる冷却水を食っていくという症状で、まだ初期の段階。

本来であれば減るはずのないラジエーターのクーラント冷却水が、ヘッドガスケットが抜けることで、冷却水の通路と燃焼室がつながってしまい、一緒に爆発してしまうようになります。

そうなるとラジエーターの水が少しずつ減っていき、エンジンを充分に冷却できなくなるため、以下の原因へと繋がっていくのです。

2白煙が出てくる

ヘッドガスケットが抜けて冷却水が燃焼室に入り込むと、燃焼と同時に水分が蒸発し、やがて白煙としてマフラーから排出されます。

エンジン始動時にだけ白煙が出てくる場合は、冬場独特のものといえますが、そうではなく走行中にも白煙が出続ける場合は、ヘッドガスケット抜けが確定し始めた段階とも言えるでしょう。

3オイルの乳化

冷却水とエンジンオイルが混ざると、オイルが白く濁った状態になります。これをオイルの乳化と呼びます。

オイルキャップの裏側などに、マヨネーズ状の茶色く濁ったオイルが付着している場合、また冷却水が目に見えて減るようになると、ヘッドガスケットトラブルの中期症状とも言えます。

4パワー不足を感じる

本来は密閉されているべき燃焼室から、エンジンで混合気を圧縮した圧力が逃げてしまうため、エンジンの回転がバラついたり加速が鈍くなったりするようになります。

低回転時にはブスブスと吹けも悪くなり、アイドリングが安定しなかったりの「ミスファイア」のような状態に。

こうなるとあとは以下の症状になる日も近いです。

5オーバーヒートその後…

ヘッドガスケットは、破損し出すと一気に進行は進みます。

理由としては、初期段階では小さかった破損が、圧力がかかることでだんだん大きくなってしまうから。

冷却水が減ったり、マフラーからの白煙くらいのときは気づかないことも多いですが、パワー不足にまで進行してくると、ヘッドガスケットは小さな穴ではなく、目視できるほどの大きな穴になってしまっていることでしょう。

クーラント冷却水は、例として軽自動車であれば3~5リッター。普通車で5~8リッターなどと言われていますが、予備タンクも全て空になれば、当然エンジンの温度は異常なくらいに上昇します。

ついにはオーバーヒートとなり、エンジン停止を引き起こしてしまうのです。

さらに異常加熱したエンジンは、湾曲やヒビ割れといった重大な損傷を受けるため、パワーダウンだけでなく、エンジンそのものが末期症状に陥っていると覚悟すべきでしょう。

ヘッドガスケットの
交換工賃・修理費用は?

ヘッドガスケット自体の部品価格は、それほど高いものではありません。

多くの場合、せいぜい数千円から1万円前後の部品です。しかし修理費用の合計額は高額になるケースがほとんど。何故なのか順に解説していきます。

なぜ修理工賃が高額になるのか

ヘッドガスケットを交換するためには、エンジン上部を大きく分解する必要があります。

  1. 吸気系や排気系の部品を外す
  2. シリンダーヘッド本体を取り外す
  3. ヘッドとブロックの接合面の清掃
  4. 必要あらばヘッド接合面を研磨
  5. 新しいガスケットを装着
  6. 再度組み付ける

見るだけでとても大掛かりな作業になることがお分かりかと思います。

オーバーヒートなどが原因の場合は、シリンダーヘッドに歪みが発生していることが考えらるので、接合面の研磨作業はほぼ必須。こうした工程が増えるため、部品代よりも工賃の割合が大きくなる修理になるのです。

さらには車種によっても工賃は変動します。順番に見ていきましょう。

一般的なフロントエンジン車

ヤリスやフィットなど、一般的にボンネットからエンジンが覗けて、整備作業のスペースを確保されている車種は、比較的安価な工賃になりますが、安価とはいえ、概ね約15万円〜30万円程度の修理代になります。

軽自動車の場合は、エンジンが小さいといえど、作業にかかる工程は同じため、劇的に費用は変わりません。標準的な工賃とはいえ、比較的高額な部類の修理費用だと言えます。

キャブオーバー車

ハイエースやキャラバンNV350、ボンゴや旧型バネットのようなキャブオーバータイプの車は、エンジンが運転席の下部に配置されているため、整備作業がやや複雑になります。

シートや周辺カバーを外してエンジンにアクセスする必要があり、部品の脱着工程も増えるため、交換費用が20〜35万円程度になるケースも。

ハイゼットやアトレーなどの軽自動車キャブバンになれば、エンジンも小さくなって、少しは安価にもなりますが、それでも20万円前後の工賃は覚悟しておく必要があるでしょう。

荷室下のエンジン車

バモス、アクティ、エブリィなどは、エンジンが荷室やセカンドシート下に配置されている構造。このタイプのエンジンは、周辺の作業スペースが狭く、整備性が決して良好とはいえません。

そのため、エンジン上部の分解作業に時間がかかりやすく、ヘッドガスケット交換の費用が15万円〜30万円程度になるケースも。整備内容によってはエンジンを一部降ろすような作業になることもあるでしょう。

面研磨が必要になるケース

先述しました接合面の研磨についてのお話です。

ヘッドガスケット交換の際、シリンダーヘッドの接合面が歪んでいる場合は、面研磨が必要になります。これは専用の機械で金属面を削り、完全に平らな状態に整える作業です。

オーバーヒートを起こしたエンジンでは、ヘッドが歪んでいることが多く、この面研磨を行わないままに新しいガスケットを装着すると、再びガスケット抜けが発生する可能性があります。

ようやく組み上げた、でも目視ではわからない歪みがヘッドにあった。

こうなるとまた冷却水が漏れてしまい、もう一度ガスケット部品の注文からやり直しとなるため、大抵の整備工場では、この面研磨と念の為に水圧テストまで行います。

面研磨には、上記工賃に追加費用が発生しますが、やり直しを考えると始めから別途5万円ほどの面研磨費用も考えておいた方が無難でしょう。

修理に悩まれたとき

修理しようか悩まれたときに、取るべき選択肢は3つ。

1.修理する

今のお車を長く乗り続けていこうと思われている場合や、比較的安価に完了しそうな修理の場合、また油脂類の交換や追加で済みそうな場合は、「維持費」と割り切って早めに済ませることが、車を長持ちさせるコツです。

早めに対策したほうが金銭的にも安く済むので、できるだけ早めに動くようにしましょう。

2.放置する

特に今の車に愛着もない、騙し騙しでも何とかなりそうなので放置する。もちろんこちらも1つの選択だと思います。

ただ、今の故障が原因で車が突然止まってしまうようなことになるのであれば、それはちょっと考えもの。走行に関係のない部位であれば問題ないでしょうが、右折途中の交差点の真ん中や、高速道路での突然の停止など、事故につながるかも知れない場合は、きちんと修理しておくに越したことはないでしょう。

3.今の価値を知ってから決める

修理するにしても放置するにしても、今のお車の価値がどれほどなのかはご存知でしょうか?

値段を調べてみたら20万円しかなかったのに、20万円の修理代で悩んでいた。逆に車の価値は200万円もあるのに、20万円の修理費をかけようとしていた。こうなると、売って乗り換えてしまったほうがいいという場合も。

もちろん、20万円の価値しかなくても、20万円の修理代をかけていいくらい気に入った車なら、直して乗り続けるのが一番でしょう。

ですが、200万円の価値がある車に20万円の修理をしても、価値が220万円になるわけではありません。20万円の価値の車なら、なおさら40万円の価値になることはありません。

逆に車屋さんは自社の原価で直せるので、不具合のある状態のまま買い取ってもらっても、修理代の20万円がそのまま引かれることは少ないものです。

ですので、高額な修理が予想される場合は、一度今どれくらいで売れるのか、現在の価値を知ってから考えるほうが良いのではないでしょうか。

ネット上で査定できるサービスとしては、こうした車の一括査定もありますが、入力すると多くの買取店から電話がかかってくるので、まだ迷っている段階では負担に感じるかも知れません。

なのでまずは1社だけの査定を受けてみて、そこから本気で売ろうと思われたなら、改めて多くの査定を受けてみる。

この流れで進めてみませんか。

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いま 高く売れる車

ご興味があればご覧ください。

年式が古くても、走行距離が10万kmを超えていても、値段がつきやすい車には共通点があります。あなたのお車が当てはまるか、見てみてください。

1.トヨタの車

まずはトヨタ。ほとんどの車種が海外へ輸出されていて、国内で古くなった車でも買い手がつきやすいメーカーです。

理由はブランドの信頼と耐久性。ランドクルーザーやハイエースは、何十万km走っても使えるという評価が海外で定着しています。

2.軽自動車

軽自動車は輸出にはほとんど回らず、国内で次の持ち主に渡るのが中心。そのぶん中古車の需要が強く、値段が落ちにくい傾向があります。

人気のトールワゴンはもちろん、仕事で使うバンや軽トラックまで、幅広く値がつきやすいジャンルです。

3.コンパクトカー

1,500cc未満のコンパクトカーは、維持費の安さを求める人が多く、根強い人気があります。

中でもハイブリッド車は強く、20万km近く走っていても値段がつく例があるほど。海外への輸出も盛んです。

4.ミニバン

国内で人気のミニバンは、広さと使い勝手から海外でも求められるようになりました。

とくに2,500cc未満のミニバンは国内外どちらでも人気。レギュラーガソリンで走る車種が多く、再販しやすいのも値がつく理由でしょう。

5.スポーツカー

車を走らせる楽しさを求める人からの支持が厚く、とくにMT車は人気があります。

軽のターボのホットモデル、シビックやインテグラ、シルビアやロードスター、RX-7など、台数が少なくなった車種ほど値段が上がりやすい傾向です。

6.バン・トラック

ハイエースなどのバン、軽トラックから大型トラックまで、働く車は輸出も盛んです。

20万kmを超える走行距離や、外装のへこみがあっても売れていくのは、このジャンルならでは。状態より「使えるかどうか」で見られる車です。

値段がつく車に共通すること

ここに挙げた車に共通するのは、海外への輸出か国内の中古車として、次の買い手がはっきりしていること。故障していても、修理してから売る先があるため、思ったより値段が残っていることがあります。

あなたのお車が当てはまるなら、修理を決める前に、今の値段を一度確かめておくと判断がしやすくなるでしょう。

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