スーパーチャージャー付きのサンバーで、エンジンをかけるとガラガラとディーゼル車のような音がする。坂道で前ほど加速しなくなった。スバル製のサンバー(TT・TV・TW系)のSC車で、こうした相談がよく見られます。ただ、音の出どころを調べたら、SCではなくエアコンベルトのプーリーだったという整備事例もありました。SCかどうかの見分け方と、リビルト・中古での直し方、費用をまとめています。

スーパーチャージャーの音かどうかを確かめる

SCの不調として出る症状は、ガラガラという大きな音、アイドリングのカンカン音、加速しない、ゴムの焼けるような臭い、ベルトの鳴きです。ただ、同じような音はほかの部品からも出ていました。

症状 見つかった原因
ディーゼル車のようなガラガラ音 SC内部の損傷(重い段階とされる)
アイドリングのカンカン音、回すと消える(3万km) SCのローターの軽い接触(ディーラーの説明)
始動時の大きな異音(ディアス TV2・10.1万km) エアコンベルトのアイドラープーリーのベアリング
ベルトが鳴いてエンスト、焼ける臭い SCの焼き付き(ロック)
2,000回転付近でもたつき、加速しない SCの過給ゼロに加え、点火コイルと燃圧の部品も不良

見分けの手がかりとして挙がっていたのは、音がエンジンの回転に比例して大きくなるかどうかと、オイルフィルターに鉄粉が出ていないか。回転に比例して大きくならない音は致命的でないことが多い、という元整備士の回答がありました。回転とともに大きくなる音は、エンジン本体の軸受けの傷みも疑われます。以前乗っていたヴィヴィオで、回転に比例して大きくなる音のあとエンジンが焼き付いた、という比較を添えた投稿もありました。

壊れても走れてしまう

SCがロックしても、過給がかからなくなるだけで、自走はできる場合が多いようです。SCのベルトが切れれば、普通の自然吸気の軽と同じように走れてしまう。ロックしてからオーナーが、以前からの加速の鈍さはSCの劣化だったと気づいた例がありました。一方で、ロックしたSCが空気の通り道をふさぎ、40km/hまでしか出なくなった例や、焼き付いた瞬間にベルトが大きく鳴いてエンストした例も見られます。H18年式・4.6万kmのディアスでは、整備工場が過給圧を測るとほぼ0kPa(基準は87kPa前後)で、同時に点火コイルと燃圧の部品の不良も見つかりました。「加速しない=SC」と決めず、点火と燃料もあわせて診てもらうのが確実でしょう。

どうやったら直るか

原因の部品だけ替える

音の原因がアイドラープーリーなら、プーリーを丸ごと替えなくても、ベアリングだけをプレスで打ち替えて直した整備工場がありました。費用は数千円の単位で、車検のついでに済んでいます。SCそのものが原因なら、リビルト品か中古品への交換になりました。

リビルトと中古

リビルト品は、SCオイルが入った状態で、吸気・排気側のガスケットが付いてきます。取り付けの条件として、ベルトとテンショナーの交換、古いSCの返却が求められ、保証は1年または1万km。社外のプーリーを付けると保証の対象外です。なお、SCの純正品番はA〜C型(1999年6月〜2001年7月)とD型以降(2001年5月〜)で違うので、注文するときは型式の確認が欠かせません。

中古では、同じエンジンのプレオ用SCを流用した例もありました。状態のいい中古が手に入れば、ガスケット2枚とSCオイル、ベルトの交換だけで済んだという記録です。ただし中古は前の車での使われ方が分からず、保証もほとんどありません。

SCオイルの扱い

SCの中には60〜70cc程度の専用オイルが入っています。メーカーは交換不要としている、20万kmで確かめても変色はわずかだった、という声がある一方、量が少ないぶん、漏れるとすぐに切れてしまう。経験者の回答では、オイルの劣化よりベアリングが先に傷み、本体ごとの交換になることが多いとされていました。交換よりも、にじみや漏れがないかの点検を気にかけたい部品です。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
ディアス TV2 H11 10.1万km アイドラーのベアリングだけ交換(車検時) 整備工場 6,500円
サンバー(年式不明) オークションの中古SC+取り付け 職業訓練校で作業 部品1万円+工賃5,000円
サンバー TT・TW系 中古プレオ用SC+ベルト・ガスケット・テンショナー 自分で作業 約5万円
TV・TT・TW用リビルトSC単体 古いSCの返却あり 部品通販 87,000円
ディアス TW2 H18 4.6万km リビルトSC、ベルト、テンショナー、ホース、バルブ、点火コイル、燃圧の部品ほか 整備工場 総額286,740円(リビルトSCは82,500円)

ベアリングで済めば数千円、中古SCなら部品代1万円台から、リビルトSCは部品だけで8万円台。整備工場に頼んだ事例では、周辺部品もまとめて替えて総額28万円台になっていました。この工場は、リビルト品にしたことで新品より約9万円安くなったと説明しています。ディーラーの見積もり額は見つかりませんでした。SCとは関係のないエンジンの載せ替えでも、H26年式のサンバーバンで総額8万5千円ほどの例があり、古いサンバーではSC1個の交換が載せ替えより高くつくこともあり得ます。

同じ時期に重なるもの

SCを替える時期のサンバーは、SCベルトとテンショナー、エアバイパスバルブ、ホース類、点火コイル、プラグ、タイミングベルトとウォーターポンプ(EN07は早めに切れることがあるとされる)も交換時期が重なります。プラグの碍子が熱で割れたTW1(10.8万km)の例もあり、SCを替えたのに不調が残るときは点火系も見直したいところ。タイミングベルトとポンプはセットで約4万円という整備記事がありました。サンバーのもう一つの定番であるオイル漏れはサンバーのオイル漏れの記事で扱っています。