加速するたびにヒューーと笛のような音がして、周りの人にも聞こえるほど大きくなった。マフラーから白い煙が増え、坂道で力が出ない。エブリイ(DA64W・DA64V・DA17)やワゴンR、ムーヴ、アトレー、ハイゼットといったターボ付きの軽で、ターボ(タービン)の故障はよくある修理です。実例の多くはリビルト品への交換で5万〜11万円に収まっていましたが、交換しても数週間で再発した例も。症状の見分け方と、費用、再発を防ぐために確かめたいことをまとめました。

ターボが原因かを確かめる

ターボの故障で多い症状は、加速時の笛のような音(ヒューー、ヒャーー)や、カラカラ、ガラガラ、シャリシャリという金属音です。タービンの軸にガタが出るとオイルのシールが効かなくなり、オイルが排気側に回って白煙が出ます。始動するとマフラーからものすごい白煙が出た、日に日に煙が増えて力が落ちた、ブースト計で全く加圧されていなかった、という記録もありました。

症状 考えられる原因
加速時の笛のような音、金属音 タービンの軸のガタ、羽根の破損
マフラーからの白煙、オイル消費の増加 軸のガタでオイルが排気側へ回る(エンジン側の原因のことも)
ブーストがかからない、坂を登らない、高速で伸びない 羽根の破損、ターボの焼き付き
ターボを替えても白煙が再発 エンジンの圧縮低下、バルブシールやピストンリング

白煙やオイル漏れは、まずエンジン側(ブローバイ、バルブシール、ピストンリング)を点検し、エンジンに異常が無ければターボを見る、という順番をターボのメーカーも勧めています。ムーヴで、ターボを替えて3週間で再発し、原因はエンジンの圧縮低下だった例があり、確定させるにはターボを外して羽根の欠けや軸のガタを確かめるのが確実です。オイル上がり・下がりについてはこちらの記事にまとめています。

壊れる原因はオイル管理

一番多い原因はオイル管理の不足です。スラッジが溜まってターボへのオイルの供給と戻りの細い通り道が詰まり、焼き付いてしまう。2年に1回しかオイルを替えていなかったDA62では、戻りのラインがスラッジで詰まっていました。DA64系は10万km前後で異音が出る例が多く、故障というより寿命とする見方もありますが、オイル交換を怠ったワゴンR(MH23S)は5万kmで交換になっています。羽根が真っ二つに割れていた例や、排気側の羽根が曲がって軸が折れていた例もありました。止まる直前の高負荷や、冷えているときの急加速も原因に挙がっています。

予防の面で言えば、ターボ付きの軽はオイルの交換を短めに保つことが一番の対策になります。高速を走ったあとは少しアイドリングしてから止める、エンジンが冷えているうちは急に踏み込まない、といった乗り方も、整備工場や回答者が挙げていました。中古で買ったターボ車なら、前のオーナーのオイル交換の記録が残っているかを確かめておくと、ターボの寿命を読む手がかりになるでしょう。

どうやったら直るか

リビルト交換が中心

実際の修理は、ほぼターボを丸ごと交換するもので、軽の実例ではリビルト品(古いターボを返却する下取り式)がほとんどでした。新品の純正は、DA64Wで部品だけ27万円台という見積もりもあり、工賃込みで20万円を超えます。リビルトは「新品の半額だが寿命も半分と考えて」という否定的な回答もある一方、整備工場では標準的な修理として扱われていました。中古のターボの価格例は見つかっていません。

交換してもすぐ壊れる3つの理由

ターボを替えたのにすぐ壊れる理由として挙がっていたのは3つ。1つ目は、オイルのパイプを使い回して詰まったままになっていること。「パイプを替えないと再故障の可能性が高い」「バイパスのパイプは交換が前提」と整備工場は強調していて、パイプの洗浄に1万円かけた例もありました。2つ目は、液体ガスケットの切れ端やウエスの混入。3つ目は、原因がそもそもエンジン側にあることです。見積もりに、オイルパイプの交換か洗浄、ガスケット全数、オイルとエレメントの2回交換、フラッシングが入っているかを確かめると、二度払いを避けやすくなるでしょう。

放置するとどうなるか

割れた羽根の破片をエンジンが吸い込めば、エンジンまで傷みます。DA17Vでは、ターボのブローからエンジンのブローに進み、リビルトエンジンへの載せ替えになっていました。ターボのリコールや保証延長は見つかりませんでした。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
エブリイ DA64V H20 インペラ破断、ガスケット・戻りホース・フラッシングほか(ターボ代は別とみられる) 整備工場 45,760円
エブリイワゴン DA64W H24 12万km リビルト+工賃+オイル 整備工場 59,400円(リビルト27,600+工賃25,000)
エブリイワゴン DA64 リビルト+パイプ洗浄+工賃 整備工場 67,650円
ワゴンRスティングレー MH23S H21 5万km リビルト+工賃 整備工場 79,900円
ワゴンR(各型) ターボ交換 整備工場 88,000〜110,000円
ムーヴカスタム L160S H16 リビルト+工賃 整備工場 114,125円
ムーヴ H10 8.5万km リビルト交換→3週間で再発、エンジン交換 — 合計約19.5万円

民間の工場でリビルトに替えれば、税込5万〜11万円が実例の中心でした。スズキのディーラーでリビルトなら14万円前後からという目安もあり、新品の純正にすると20万円を超えます。相場の記事に出てくる「最低20万円以上」は、実例と比べると高めの数字でした。ターボを替えても原因がエンジン側なら直らないので、白煙が出ている場合は、ターボを替える前にエンジンの状態まで見てもらうのが近道です。

同じ時期に重なるもの

ターボが傷む10万km前後の軽は、タペットカバーのオイル漏れ、ターボのウォーターパイプやサーモスタット、ウォーターポンプといった冷却系、エキゾーストマニホールドのガスケット、そしてATと、手のかかる部品が並ぶ時期です。10万km超のエブリイで、エンジン20万円、ターボ7万円、AT7万円という見積もりが並んだ例もありました。エブリイの冷却系はオーバーヒートの記事、ダイハツのKFエンジンのオイル消費はこちらの記事で扱っています。