メーターにエアバッグの警告灯が点いたまま消えない。気づけばホーンも鳴らず、ハンドルのオーディオスイッチも効かなくなっていた。この組み合わせなら、ハンドルの中にあるスパイラルケーブル(クロックスプリング)の断線がまず疑われます。一方、レガシィ(BH・BE・BP)などスバル車では、警告灯だけが点いて、原因はシートベルトや座席下のコネクターだったという例が目立つ傾向。症状からの切り分け方と、交換費用、車検への影響をまとめました。
どこが原因かを確かめる
スパイラルケーブルは、回転するハンドルとボディ側の配線をつなぐ、ゼンマイのように巻かれた平たいケーブルです。ハンドルを回すたびに中で曲げ伸ばしされるので、年数とともに疲労して内部で切れます。社外ハンドルに替えたとき、中立の位置を合わせずに組んだときにも起きることがありました。
| 症状 | 疑わしい場所 |
|---|---|
| 警告灯に加えて、ホーンが鳴らない、ステアリングスイッチが効かない。ハンドルの角度で出たり消えたりする | スパイラルケーブルの断線 |
| ホーンもスイッチも正常で、警告灯だけ点く | シートベルトのプリテンショナー、座席下のコネクター(サイドエアバッグ)、エアバッグのコンピューター、着座センサー |
| 事故の修理のあとから点く | コネクターのロック部品の欠け、交換部品の不良 |
| 電圧が低いときに点く | バッテリーの弱り |
診断機では「運転席エアバッグ断線」「運転席インフレーター故障」などと表示され、スパイラルケーブルの交換で直っていました。スバル車は、運転席の足元にある診断用のコネクターをつなぐと、警告灯の点滅回数で故障の番号が読めます。BH・BEの事例で確認できたのは、11がエアバッグのコンピューター、42が左のサイドエアバッグ、62が左のシートベルトのプリテンショナーでした。
レガシィで多いのは座席まわり
レガシィの事例は、スパイラルではなく座席まわりが中心でした。BHの左側やBE5のA型でプリテンショナーの故障、BEで助手席下のサイドエアバッグのコネクターの接触不良(抜き差しで消えた)、BP5で運転席シートベルトのコネクターの接触不良。レガシィでスパイラルが切れた実例は、今回は見つかりませんでした。2004年にスバルが出したエアバッグのリコールは2代目レガシィ(BD・BG)と初代インプレッサが対象で、BH以降は含まれていません。BP・BLに関係するのはタカタ製の助手席エアバッグの再リコールで、警告灯の故障とは別の話です。
どうやったら直るか
応急処置と部品交換
座席下のコネクターなら、抜き差しや接点の清掃で消えることがあります。作業はバッテリーを外して時間をおいてから行うのが鉄則で、エアバッグの部品を不用意に触るのは危険です。スパイラルケーブルは交換で、部品は純正品、社外品、中古品から選べます。中古は当たり外れがあり、「動作確認済み」として4,300円で買った品が実際には導通しておらず、2,000円の別の年式の品で直った例もありました。交換後はハンドルを中立に合わせ、左右に約3.5回転ずつ回るかを確かめる手順。プリテンショナーは、古い車だと純正部品が廃番になっていて、中古を探すしかない場合もあります。
キャンセラーについて
警告灯を消すための抵抗器(キャンセラー)が数百円で売られていて、スバル用は3.3Ωが出回っています。ただ、これは警告灯を消すだけで、その席のエアバッグやプリテンショナーは事故のときに働きません。プリテンショナーの故障にステアリング用のキャンセラーは使えない、という指摘もありました。キャンセラーの扱いをはっきり示した公的な資料は見つからず、取り付ける前に保険会社へ相談するよう勧める記事もあります。安全装置を止めることになるので、直せるなら直す方向で考えたい部品です。
車検は通らない
2017年2月から、エンジンをかけたあとにエアバッグの警告灯が点灯・点滅している車は、車検の審査を受けられなくなりました。キーをONにしたときに警告灯が一度も点かない車(電球を抜いた車)も不適合です。スパイラルが切れてホーンが鳴らない状態も、警音器の点で問題になるでしょう。修理しない限り、警告灯は消えません。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| セレナ CC25 H20 | スパイラルケーブル交換(純正) | 整備工場 | 26,180円(部品14,200+工賃9,600) |
| 車種不明 | スパイラルケーブル交換 | ディーラー | 約24,000円(部品13,000+工賃11,440) |
| ノート E11 | スパイラルケーブル交換 | — | 25,500円(部品15,500+工賃10,000) |
| ワゴンR MH85S | ディーラー見積もり/中古品を自分で交換 | ディーラー/DIY | 約3万円/3,000円 |
| ブルーバード | スパイラルほか(車検時) | 整備工場 | 部品25,520+工賃7,700円 |
| レガシィ BH | プリテンショナー故障の診断のみ | ディーラー | 診断2,200円 |
スパイラルケーブルの交換は、ディーラーでも民間でも2.3万〜3万円に集まっていて、工賃の差は数千円でした。中古品を自分で付ければ数千円で済みますが、品質の当たり外れとエアバッグを扱う危険があります。シートベルトのプリテンショナーは4万円から、エアバッグのコンピューターは5万円からという相場が出ていて、レガシィの実額は見つかりませんでした。点滅コードで場所が分かれば、見積もりの前に見当がつきます。
同じ時期に重なるもの
スパイラルが切れる年数の車は、ホーンやステアリングスイッチ、ウインカーのオートキャンセル(スパイラルと一体の車種がある)など、ハンドルまわりの部品も一緒に傷んでいることがあります。レガシィなら、プリテンショナーとエアバッグのコンピューター、座席下の配線。車検に通らない警告灯は、ほかにABS(ABS警告灯の記事)やブレーキ、エンジンがあり、点検のときに履歴をまとめて読んでもらうと、車検の直前に慌てずに済みます。新しい車の先進安全装置の警告灯についてはセレナのエマージェンシーブレーキの記事で扱いました。