メーターの「AUTO」の表示がゆっくり点滅し、信号待ちでエンジンが止まらなくなった。エンジンルームからはウィーン、ゴロゴロという音もする。C26セレナ(2010〜2016年)でこの組み合わせが出たら、疑わしいのはECOモーターと呼ばれる発電機です。C26にはこの部品のリコールが出ていますが、車の仕様によって対象のリコールが違い、ここを取り違えた解説も見かけます。点滅の意味、原因の順番、リコールの確認方法と、自費で直した場合の金額をまとめました。
点滅の意味を確かめる
点滅には速さで2種類あります。取扱説明書の説明では、1秒に2回ほどの早い点滅は運転席のドアやボンネットが開いているときの表示で、故障ではありません。2秒に1回ほどの遅い点滅が、バッテリーの交換時期か、ほかの故障を示すもの。日産のFAQでは、遅い点滅でほかの警告灯が無ければアイドリングストップに関わる部品の不具合で、機能をOFFにすれば販売店まで走るのは問題ないとしています。
| 症状 | 疑わしい原因 | 集めた事例での頻度 |
|---|---|---|
| 遅い点滅+ウィーン、ゴロゴロという異音 | ECOモーター(アイドリングストップ用の発電機)のベアリング | 最も多い |
| 遅い点滅だけ。バッテリーが2〜3年以上前のもの | バッテリーの劣化 | 次に多い |
| 点滅に加えてVDCの警告灯、ブレーキランプが点かない | ストップランプのヒューズ切れ | 1件 |
| 停止中に点滅が出る、CVTの不調も | CVTの電動オイルポンプ | 1件 |
検索結果に出てくる「ポンプを交換してエア抜き」という整備事例は、ブレーキではなくCVTの電動オイルポンプの話でした。アイドリングストップ中にCVTのオイルを循環させる部品で、交換後のエア抜きが甘いと点滅が再発したと書かれています。頻度の統計は見つからず、上の表は集めた修理記録を数えた目安です。
バッテリーで消えて、翌日また点く
よくある流れが、まずバッテリーを替えて点滅が消え、翌日に再発するというもの。8.8万kmのC26では、ディーラーでバッテリーを交換したものの直らず、原因はECOモーターでした。異音がするなら、バッテリー交換だけでは収まらない可能性が高いと見ておくのが無難です。S-HYBRIDはメインとサブの2個のバッテリーを積んでいて、交換後に診断機で放電電流の積算値をリセットする作業も要ります。
ECOモーターの不調が出た距離は、修理記録では7万km、8.2万km、8.8万km、14.5万kmなど。中古車店のブログには、オークションに並ぶC26の10台に3台くらいは発電機から異音がする、という感覚的な話も載っていました。統計ではありませんが、珍しい故障ではないことはうかがえます。
どうやったら直るか
先にリコールを照会する
ECOモーターには、2023年1月27日に2件のリコールが届け出られています。内部ベアリングのシールが弱く、異物が入るとベアリングが壊れ、最悪の場合はエンジン停止や火災のおそれがある、という内容です。アイドリングストップ付き車の届け出では不具合が2,395件、うち火災5件、部分焼損6件と報告されていました。
| 仕様 | リコール | セレナの対象 |
|---|---|---|
| アイドリングストップ付き(DBA-C26・NC26・FC26・FNC26) | 届出番号5268 | 平成22年9月〜平成28年6月製作、140,354台 |
| S-HYBRID(DAA-HC26・HFC26) | 届出番号5269 | 平成24年6〜7月〜平成28年6月製作、246,833台 |
| アイドリングストップ無し | 届出番号5379(2023年9月) | オルタネーターのプーリーの不具合。AUTO点滅とは別 |
よく引用される2023年9月のオルタネーターのリコールは、アイドリングストップ機能が無い車が対象で、AUTOの点滅とは関係ありません。点滅が出る車なら5268か5269のどちらかです。部品の供給が追いつかず、対策品ができるまで遮熱カバーを付ける暫定措置がとられ、交換の完了は2027年後半までかかる見込みとされています。異音が出ていた8.2万kmの車は、緊急交換として前倒しで無償交換されていました。一方で「交換は翌年の秋」と案内された人や、2年待っているという声もあり、販売店や地域で待ち時間に差があるようです。待つ間に異音が大きくなったら、その時点で連絡し直す価値があります。
自費で直すなら
交換部品は新品、リビルト、社外品(VALEO製)の3つで、作業は3時間ほど。ただ、自費で直したあとにリコールが出て、返金を求めたものの難航したという声もありました。異音があるなら、まず販売店で車台番号を照会し、前倒しで交換してもらえないかを相談する順番が損の少ない進め方でしょう。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| C26 2012年 8.8万km | バッテリー交換(直らず) | ディーラー | 30,320円(部品26,400+工賃3,920) |
| HFC26 2013年 | バッテリー2個交換 | 整備工場 | 33,000円(リセット2,000円込み) |
| C26 2012年 8.8万km | ECOモーター新品の見積もり | ディーラー | 約20万円(部品17万+工賃3万) |
| C26 2012年 8.8万km | ECOモーター リビルト | ディーラー | 154,440円(部品117,480+工賃30,800+点検6,160) |
| HFC26 2013年 14.6万km | ECOモーター リビルト | 整備工場 | 175,450円(部品122,500+工賃36,000ほか) |
| C26 ハイブリッド 7万km | VALEO製に交換(部品持ち込み) | 整備工場 | 約20.8万円(部品173,800+工賃22,440ほか) |
| C26 | CVT電動オイルポンプ | 整備工場 | ディーラー見積もり18万円超の半額以下 |
バッテリーで済めば3万円前後、ECOモーターはリビルトでも15万〜17万円、新品や社外品で20万円前後。ディーラーと民間の工場で大きな差が出ていないのは、部品代が金額の大半を占めるためです。S-HYBRIDのバッテリー2個は、ディーラーで8万円台、用品店で5万円台という比較もありました。アイドリングストップ車のバッテリーは負荷が大きく、2〜3年を交換の目安とする解説が目立ちます。リコールの対象なら0円で済む部品なので、自費の見積もりを受け取る前に照会を済ませておくと、15万円以上の差がつく計算です。
同じ時期に重なるもの
ECOモーターが傷む7万〜15万kmのC26は、CVTの不調(セレナのCVTの記事)、エンジンマウント、電動スライドドア、エアコンと、ほかの持病も重なる時期です。ECOモーターがリコールで無償になっても、翌年にCVTで30万円台という見積もりが来ることはあり得ます。点検に出したついでに、CVTの故障履歴やマウントの状態も診断機と目視で見てもらうと、次の出費の見当がつくでしょう。発電機全般の症状はオルタネーターの記事にまとめています。