エンジンから「コンコン」とか「カンカン」といった、何とも気になる金属打刻音が聞こえてきたら要注意。そうした重い打音はクランクメタルが摩耗している証拠です。

この音が聞こえたら、お車をどうするか、一刻も早く考えたほうが良いと言っても過言ではありません。

そもそもクランクメタルやコンロッドメタルとは何?

ピストン頭部で発生する爆発エネルギーは、コンロッドを介してクランクシャフトに伝えられ高速回転をしています。クランクメタルは、このクランクシャフトにかかる負荷を支持しています。

またクランクメタルにはオイル穴が空いており、クランクジャーナル部へのオイル供給の役目も果たしています。

  • スムーズに回転するためのベアリング的な役目
  • オイルを行き渡らせる役割を果たしている

といえばわかりやすいでしょうか。

ベアリングと言えば一般的にボールやローラーを思い浮かべますが、クランクメタルはボールやローラーは使っていない、単に金属の板のようなものです。

軸受けとはいってもクランクシャフトと直接接しているわけではなく、普段はオイル油膜でクランクシャフトを保持している状態です。

このクランクメタルやコンロッドメタルというものは、厳密に言えば少しずつ摩耗していっているものなのですが、普段はオイル油膜のおかげで摩耗は低減されている状態です。それが何らかの理由で油膜が切れてしまうと、金属同士が直接接触してしまい、摩耗が一気に進行。

そして、摩耗が一定のレベルに達した段階で「カンカン」「コンコン」といった打音が聞こえてくるんですね。

ここで初めて異変に気付いても、時すでに遅し、後の祭りなのですが、この状態であるにも関わらず、そのまま車を走らせ続けると前述のように、走行中いきなりエンジンがオシャカになってしまったりするので注意が必要なわけです。

焼き付きの原因は何?

オイルメンテが悪くエンジンオイルが劣化し、エンジンに高負荷をかけていると、クランクジャーナル部の油膜が切れてしまい、クランクメタルの表面の金属が剥離し、焼き付きを起こします。

またエンジン組立時にクランクメタルの選択を間違いオイルクリアランスが規定値よりも小さくなった場合も、クランクメタルの当たりが強くなり、同様に焼き付く原因になります。

異音はどんな音?

アイドリング時、エンジン下部(オイルパン内部)よりコンコン音、カンカン音など金属の打音がします。エンジンを空ぶかしすると、その打音は早くなり、回転についてきます。

加速時にアクセルを踏むとカンカンカンと連続音が早くなり異音の音量も大きくなります。

クランク・コンロッドメタル摩耗の症状とは

前述の通り、エンジンの回転数に合わせて、コンコン音やカンカンorガンガン音が鳴ります。アイドリング時はゆっくりとカン・カン・カン・カン… と鳴っていて、

アクセルを踏むとカンカンカンカン…!

と、連続音が早くなる感じとでもいいましょうか。それに伴い、異音の音量も大きくなってきます。けっこうな音の大きさに、走行中は気になるどころか恥ずかしいくらいになるでしょう。

そのまま走っているとどうなる?

そんなクランクメタルの摩耗音が聞こえているだけでも、コンロッドやクランクシャフトが使い物にならなくなっている可能性がありますが、そのまま気にせず車を走らせ続けると、焼き付いて動きが渋くなったクランクメタルが、コンロッドに高負荷を与え続け、負荷に耐え切れなくなったコンロッドがボッキリ折れたり、あらぬ方向に折れ曲がってしまい、最悪の場合はシリンダーブロックを突き破る可能性も。

シリンダーブロックを壊してしまうほどの強烈な壊れ方だと、エンジンを構成する主要部品、すなわちピストン、コンロッド、クランク、シリンダーブロック、シリンダーヘッドなど、ありとあらゆる構成部品が終焉を迎えます。つまりはエンジンが全損状態となり、

車を買い換えるかエンジン載せ替えか

この2つの選択になってしまうのです。

メタル交換の工賃

クランクやコンロッドメタルの交換は、エンジン下部からオイルパンをめくってメタルを交換するのが、一般的で簡単な方法です。

ですがメタルが焼き付きがひどく、クランクジャーナル部に張り付いて取れなかったり、剥がれたメタルの細かな金属がオイルラインに混入している場合が考えられる時は、やはりエンジンを下ろして分解洗浄してから再度組み上げるのが確実な修理方法です。

オイルパンを外して診断した結果、オーバーホールと判断された場合は、エンジンを分解清掃し、再度組み上げることで交換になります。そのときのディーラーや町工場での修理費用は、時間単位での算出になるので、ここではそれに基づいたオーバーホールにかかる時間と工賃を計算してみました。

もちろん車のエンジンによっても変わりますが、標準的な1500ccコンパクトカークラスの4気筒エンジンで、

・エンジンの分解に丸1日
・部品の洗浄や研磨に丸1~2日
・組み立てに丸1日

と、3~4日の作業日数となり、1日は8時間の作業時間で1時間あたり8,000円のレバレートとすると、

3~4日×8時間×8,000円

という計算になります。よって、エンジンのオーバーホールにかかる工賃は、

192,000~256,000円の工賃

という、とんでもない金額になってしまいます。

部品代は別途請求

分解することによって、傷んでいる部品が目視できるのもこの時です。もし破損している部品を発見すれば、部品代は別途追加請求されるということも覚悟しておきましょう。

どうする?? エンジン異音3つの選択

ガラガラ異音をどうすれば良いのか

  • オイル交換を怠ってしまった
  • 自然には直るものではない
  • 自分でエンジンをバラせない

と、エンジン異音に関してはとにかく面倒なことになってしまっていると思いますが、ここではこれからどうすれば良いのか3つの解決策をお話ししています。

1修理する

これ以上、傷口を大きくしないためには、まずはきちんと修理するべきです。

今のまま走り続けていると、異音がどんどん大きくなっていくばかりか、時と場合によっては止まってしまいかねません。ですが

・何年乗り続けるのか
・金銭面での問題
・愛車の残存価値

をお考えになられた方が良いでしょう。特に「何年乗り続けるのか」と「愛車の残存価値」は重要で、あまり長く乗らない車に高額なお金をかけて修理するのも考えものです。

愛車の価値とのバランスを考えて修理するようにしましょう。

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2放置しておく

次に、あまりおすすめはできませんが、放置しておくという選択肢もあります。

急に止まってしまうかもという危険を多く孕んでいるので、できれば早く対策するべきですが、

・そろそろ乗り換えする予定
・金銭面で本当につらい
・直すほどの価値もない車

ようであれば、放置の選択もやむを得ないかもしれません。

ですが高速道路走行中や、右折しようとした瞬間に止まってしまうことを考えると、

放置の選択は恐ろしいものとなりますね。

クランクメタルのクリアランスとは

クランクジャーナルとクランクメタルのオイルクリアランスのことを指します。

クランクシャフトが円滑に回転できるよう1000分の1mm(1ミクロン)単位で管理されています。クリアランスが大きすぎるとクランクシャフトの回転にガタが生じ異音(クランク打音)の原因になります。小さすぎると充分なオイル供給が出来なくなり発熱し、焼き付く場合もあります。

普段効果的なメタルの保護には

クランクやコンロッドメタルの摩耗を防ぐのに一番効果的な方法は、日頃のオイルメンテナンスです。

一回のオイル交換で数千円ですから、たくさん距離を走る人には出費を強いられるかもしれませんが、このメンテナンスを怠ってしまうことによって、エンジン全損を迎えてしまうことだってあるのです。

高性能で高いオイルでなくとも構いません。よく走る人もそうでない人も、安くて経済的で、更にその車に合ったオイルを日頃からマメに交換してあげるとエンジンは長持ちするわけですね。