ヴェルファイアを停めていた駐車場に黒いシミができている。車の下をのぞくと、エンジンとミッションの継ぎ目のあたりが濡れていた。20系・30系のヴェルファイアやアルファードのオイル漏れの相談で、整備工場の事例が多かったのは、このクランクのリアオイルシールからの漏れです。ほかにヘッドカバー、オイルパン、CVTのオイルパンと、漏れる場所によって修理代は2万円台から30万円近くまで変わりました。一方、「エンジン載せ替え」になった事例の多くは、漏れではなく2.4L(2AZ)のオイル消費でした。場所ごとの見分け方と費用をまとめます。
どこから漏れているかを確かめる
| 場所 | 見え方 |
|---|---|
| クランクのリアオイルシール | 車の下、エンジンとミッション(CVT・AT)の継ぎ目から黒い雫が垂れる。駐車場に黒いシミ |
| ヘッドカバーのガスケット | エンジンの上の合わせ目からにじむ。V6はプラグの穴にオイルが入ることも |
| エンジンのオイルパン | エンジンの下の合わせ面からにじむ、垂れる |
| CVTのオイルパン | 赤〜茶色のCVTフルード。パッキンの劣化 |
リアシールからの漏れは熱いマフラーの近くに垂れるので、放置すると発火のおそれがある、と整備士は注意していました。「リアシールは10年・10万km走っても漏れないことが多い部品だが、このヴェルファイアでは意外に多い」と書いた整備工場もあります。外したヘッドカバーのガスケットは弾力がなくカチカチになっていた、という記録も見られました。
エンジンごとの傾向
事例を並べると、30系の2.5L(2AR)はリアシール、20系の2.4L(2AZ)はオイル消費とバランサーのギア、3.5L(2GR)はヘッドカバーとオイルパン、という傾向が見えました(件数は少なく、統計ではありません)。30系の2.5L(AGH30W・H27年式)では、整備工場が「トヨタで知られた症状」と説明していたそうです。リアシールの漏れは11万km、10.5万km、48万kmの例があり、CVTのオイルパンは9年・4.9万kmの20系でも出ていました。2GRのオイルクーラーまわりのホースが破裂する話は北米では報告が多いものの、国内の実例は見つからず、タイミングチェーンのカバーの漏れの事例もありませんでした。
「漏れ」と「消費」は別物
ゲージのオイルは減るのに、車の下にもエンジンの外側にも漏れた跡がない。これは2AZのオイル消費(オイル上がり)の特徴で、2,000kmでゲージの下限を割った例もありました。漏れなら跡が残るので、まずエンジンの周りと車の下を確かめれば、どちらかの見当がつきます。
どうやったら直るか
場所ごとの直し方
リアシールの交換は、エンジンとミッションを切り離す大がかりな作業で、約6時間から丸1日。バンパーや足回りの部品も外します。10系では、ついでにタイミングベルトやウォーターポンプ、各ガスケットを替えた例もありました。ヘッドカバーは、横置きのV6だと奥側を作業するためにインテークマニホールドとスロットルボディを外す手間があり、2AZでは40分で済んだ例も。オイルパンは液体ガスケットを一晩乾かしてからオイルを入れ、CVTのオイルパンはパッキンとストレーナー、フルードを替えていました。
漏れ止めの添加剤を入れて180km以上走ったら止まった、という体験談もありましたが、効き目の保証はありません。48万km走った20系では、ディーラーが「シール交換はミッションを外すので高い。リビルトエンジンへの載せ替えのほうが安い」と提案した例もあります。オイル漏れで車検に通らないと言われた知恵袋の相談もありました。
載せ替えになるのは消費とバランサー
「ヴェルファイア エンジン 載せ替え」で出てくる国内の事例は、ほとんどが2AZのオイル消費とバランサーシャフトの樹脂ギアの破損でした。H25年式のアルファードでは、ギアが割れて破片がストレーナーに詰まり、焼き付いて中古エンジンに載せ替えています。オイル漏れが原因で載せ替えになった国内の事例は見つかりませんでした。2AZのオイル消費には保証延長が出ていたという書き込みが複数ありますが、根拠とされたトヨタのページは現在見られず、対象や期間は確認できていません。オイル漏れについてのリコールや保証延長も見当たらず。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| アルファードG MNH15W H17(V6) | ヘッドカバーの左右ガスケット+プラグ穴のガスケット(4時間) | 認証工場 | 22,000円 |
| ヴェルファイア GGH20W H20 | エンジンのオイルパンのガスケット(2時間) | 認証工場 | 22,000円 |
| ヴェルファイア 20系 4.9万km | CVTのオイルパン(部品14,660円+工賃14,000円) | 整備工場 | 31,526円 |
| ヴェルファイア AGH30W H27 | リアシール交換(工賃88,000円) | 認証工場 | 92,350円 |
| アルファード MNH10W H15 10.5万km | リアシール+タイミングベルト・ポンプなどの同時交換 | 指定工場 | 214,555円 |
| 30系 11万km | リアシール(見積もり) | ガソリンスタンド/中古車店 | 10万円前後/25万〜30万円 |
| アルファード ANH20W H22(参考) | オイル消費で中古エンジンに載せ替え | 整備工場 | 404,074円 |
ヘッドカバーやオイルパンなら2万円台、CVTのオイルパンで3万円ほど、リアシールは9万円台から、ほかの部品と一緒なら20万円を超えました。オイル消費での載せ替えは、中古エンジンで40万円台、リビルトで80万円を超えた例(20系)も。同じ「オイルが減る」でも、漏れか消費かで金額の桁が変わります。ディーラーで同じ作業をした金額は見つかりませんでした。
同じ時期に重なるもの
漏れが出る年数のヴェルファイアは、2AZのバランサーのギア(冷えているときにオイルパンのあたりからガラガラ音。12万kmで5.6万円の例)、ウォーターポンプ、ステアリングのシャフトのガタ、スタビリンク、ドライブシャフト、ショックのオイル漏れ、ラジエーターの漏れと、修理が続く部品が多くあります。2AZのオイル消費は2AZのオイル消費の記事、3.5Lのポンプは2GRのウォーターポンプの記事にまとめました。