メーターにe-POWERシステムの警告灯が点いたまま消えない。「e-POWERシステム故障 走行制限中」と表示され、時速30kmほどしか出なくなった。ノートe-POWER(E12、2016年11月〜2020年)でこうした症状が出ると、高額なインバーターや駆動用電池の故障を心配しがちです。ところが集まった修理記録では、原因の多くは数千円から10万円ほどで直る周辺部品でした。警告灯の種類の見分け方、よくある原因と費用、リコールの確認方法をまとめました。
どの表示が出ているかを確かめる
e-POWERシステム警告灯は、パワースイッチをONにすると点き、システムが起動すると消えるのが正常です。消えないときが異常。亀のマークの出力制限表示灯は、電池の残量が極端に少ない、低温や高温、発電の制限、といったときに点き、故障ではないこともあると日産のFAQは説明しています。READYが点かず動かない場合にまず疑うのは12Vの補機バッテリーで、日産は、電源をOFFにして運転席のドアを開け閉めし、3分以上待って再始動する手順を案内していました。
| 症状 | 見つかった原因 |
|---|---|
| 警告灯、READYにならない、動かない | 12V補機バッテリーの電圧不足 |
| チェックランプ、水温警告が一瞬点く | エンジン用の電動ウォーターポンプ、そのリレー |
| 警告灯とブレーキランプのエラー | ブレーキランプ信号系のリレー |
| 警告灯、ECOモードに入れない、エンジンが回りっぱなし | e-POWERの制御コンピューター、センサー類 |
| 冬の寒い日だけ点く | フロント部分に凍りついた雪(ディーラーの説明) |
| 後付け部品を付けたあとから点く | ヒューズ、後付けのスロットルコントローラー |
警告灯の種類だけでは原因は絞れず、故障コードを読むのが近道です。E12でインバーターが壊れて交換した例は、保証期間内とみられる1件しか見つかりませんでした。駆動用のリチウムイオン電池も、18万km走っても燃費は落ちていないという声があり、日産のFAQでも通常の使い方なら劣化による交換は不要とされています。高い部品から疑う前に、安い部品を順に確かめるのが現実的です。
警告が出たときの状況をメモしておくと、診断の助けになります。何℃くらいの日だったか、走り出してすぐか、しばらく走ったあとか、雪の日だったか。気温が−1〜10℃の日に2回点き、リセットだけで様子を見ることになった例もあり、条件がそろって初めて出る警告は、ディーラーでも再現が難しいことがあるからです。
冷却水は2系統ある
e-POWERは、エンジン用とインバーター用で冷却水のタンクも配管も別々です。エンジン用の電動ウォーターポンプは10万km前後で動かなくなった例があり、ポンプを動かすリレーの不良も5.7万kmで出ている。リレーボックスや電動ポンプはフロントバンパーを外さないと届かない場所にあり、オーバーヒートしたあとならサーモスタットも同時に替える整備工場がありました。冷却水の交換の目安は初回7年16万km、以降4年8万kmという記録もあります。
どうやったら直るか
まず再起動と補機バッテリー
最初は、安全な場所に止めてPに入れ、電源を切って5〜10分待ってから再始動する。これで消えることもありますが、繰り返すなら根本的には直っていません。補機バッテリーはE12は欧州規格(LN2)で、国内のJIS規格品は付かない点に注意が要ります。
民間で直せる部分、ディーラーの部分
ウォーターポンプ、リレー、電動ファン、センサー、補機バッテリーといった周辺部品は、民間の工場で直した実例がありました。E13では、センサー用の5V電源の異常で複数のセンサーが誤作動し、電源を分けて直した工場もあります。一方、インバーターや駆動用電池といった高電圧の部品は、基本的にディーラーで新品交換。リビルト品や中古品で民間が交換した実例は見つかっていません。診断料は1.5万円ほどかかっても、コードを読んで原因を絞る価値は大きいでしょう。
リコールと保証
E12で走行不能につながるリコールは2つ。2023年7月のブローバイホースの亀裂(エンジンがかからない、モーターが止まるおそれ)は、2016年8月〜2022年3月製作のノート・セレナ・キックスのe-POWER約48万台が対象で、E12はほぼ全期間が入っています。2022年12月にはノートNISMO Sの電池内部のヒューズのリコールも出ました。2026年6月の約60万台のリコール(電池のコントローラーの誤判定)はE13世代が対象で、E12は含まれません。保証は特別保証で5年10万km、e-POWERのリチウムイオン電池も同じで、E12は今ではすべて期間を過ぎています。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| E12 2018年 5.7万km | ウォーターポンプのリレー交換(保証外) | ディーラー | 約7,500円 |
| E13 | センサー用の5V電源を分けて修理(診断込み) | 整備工場 | 19,800円 |
| HE12 | 補機バッテリー交換 | カー用品店 | 26,400円 |
| ノートe-POWER 7.3万km | 電動ファンモーター交換 | — | 約3.8万円 |
| ノートe-POWER | エンジン用電動ウォーターポンプ+サーモスタット | — | 約9.5万円 |
| H30 7,700km | インバーター交換 | ディーラー | 金額記載なし(保証期間内とみられる) |
リレーなら1万円以下、補機バッテリーで2.6万円前後、ファンモーターで4万円弱、ウォーターポンプとサーモで10万円弱。インバーターや駆動用電池は「20万〜50万円」という数字がまとめサイトで使い回されていますが、根拠のある見積もりは見つかりませんでした。警告灯が点いたから数十万円、と決めつけず、まず周辺部品とリコールを確かめるのが、損の少ない順番です。
同じ時期に重なるもの
E12の年数が進むと、エンジン用の電動ウォーターポンプとリレー、サーモスタット、ラジエーターとコンデンサーのファン、エアコン、補機バッテリーと、冷却と電装の部品が順番に傷んでいく時期。ポンプを替えた翌年にファン、という重なり方も考えられるので、点検のときに冷却系全体を見てもらうと次の出費が読めます。トヨタのハイブリッドの警告灯はアクアの記事、ガソリンのノートのスーパーチャージャーはこちらの記事で扱いました。