レクサスLS460で、段差を越えるたびにフロントからコトコト音がする。揺れがなかなか収まらず、フワフワした乗り心地になった。あるいは、一晩置くと前だけペタンと下がっている。LS460とLS600hは全グレードがエアサスペンションで、年数がたつとこうした相談が増えてきます。整備工場の事例を集めると、多かったのはエアが抜けて下がる故障より、ショックの部分のオイル漏れでした。症状の見分け方と、工賃が高くなる理由、費用の幅をまとめます。
エアサスのどこが悪いかを確かめる
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 段差でコトコト、ゴトゴト | エアサスのショック部のオイル漏れ(外から見えない内部漏れも) |
| 揺れが収まらない、フワフワする | 同上(ダンパーの抜け) |
| 一晩置くと前が下がり、エンジンをかけると戻る | エアスプリングのエア漏れ |
| 車高がいちばん低いまま | ベローズ(ゴムの袋)のエア漏れ |
| 走行中にエアサスの警告 | コンプレッサーが動かない |
4.8万kmのLS460(USF40)では、右前の内部のオイル漏れでコトコト音が出ていました。H19年式のLS600hでは左前のオイル抜けとアッパーマウントのはがれ、H20年式では中心部からのオイル漏れで揺れが収まらなくなっています。LS600hでベローズのエア漏れから車高が最低のままになった例や、走行中の警告がコンプレッサーの故障で、交換で消えた例もありました。
コトコト音は、ロアアームやスタビリンクからも出ます。試乗とリフトアップで「アームでもスタビリンクでもなくエアサス」と切り分けた整備工場がありました。ほかの音との切り分けを、まず頼みたいところです。
寿命の目安
寿命については、「8万〜10万kmで交換がよい」「重い車なので5年を過ぎると乗り心地が変わる」という回答や、2007年式・9万kmで4回目の車検のときに劣化を指摘された例がありました。一方で、LS600hで22万km使えているという声もあり、実例は4.8万km、11.2万km、16万kmと幅があります。距離より年数、9年前後で語られることが多い部品でした。エアサスのコントローラーで車高を下げると寿命が縮むという指摘もあります。
バネサスは流用できない
LS460もLS600hも全車がエアサスなので、純正のコイルスプリングの足を流用することはできません。バネサスに変えるには構造変更が必要で、25万〜30万円ほど、売るときは改造車扱いで査定が下がるおそれがある、という回答でした。LS460とLS600hの間でエアサスを流用するのも無理という短い回答もありましたが、根拠までは書かれていません。
どうやったら直るか
悪い本数だけ替える
4本が同時に壊れることはまれで、壊れた本数だけ替えるのが普通、という回答がありました。左右の差を嫌って2本で替える意見もあります。霞ヶ浦の整備工場は、要らない4本同時の交換は勧めず、診断して悪い所だけ替える方針でした。ディーラーは一式(ASSY)での交換が基本です。
部品の選び方
部品は、純正の新品、ベローズだけの交換(LS600hで周りの部品をあまり外さずにできた例)、リビルト、OEMの新品、中古、社外品から選べます。中古でリヤのエア漏れを直した例や、車高調にした別のLS600hから外したエアサスを流用した例もありました。ただ、前のオーナーが付けた社外のエアサスが1年ほどで音を出し始め、シールを替えた跡からエアが漏れていた例もあり、その店は社外品を使わない方針に変えたとのこと。
工賃が高くなる理由
リヤは電動のリヤシートとホイールハウスのライナーを外す必要があり、1本で3.5〜5時間かかっていました。ボルトが固着していて何軒も断られたという客の例もあります。放置してエア漏れが進めば車高が調整できず、走れなくなることもある、と整備工場は注意していました。エアサスのリコールや保証延長は、レクサスの一覧を読み込めず確認できていません。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| LS460 USF40 H20 | リヤ左のショック交換(部品持ち込み、3時間半) | 認証工場 | 工賃16,500円 |
| LS | リヤのエアサス交換(社外品持ち込み、5時間) | 持ち込み専門店 | 工賃41,360円 |
| LS460 | フロント1本を中古・リビルトに交換 | 整備工場 | 36,740円 |
| LS460 USF40 H25 | 左フロントをリビルト品に(部品5万円+工賃1.2万円) | 整備工場 | 68,200円 |
| LS600h H19 9.5万km | リヤ左右(部品約16万円+工賃3万円) | — | 約19万円 |
| LS(回答者の目安) | 4本交換(部品1本5万〜6万円+ディーラー工賃1本約4万円) | ディーラー | 約36万円 |
| LS460 | エアサスの故障ほか | ディーラー見積もり | 36万円+α |
| LS460 前期 11.2万km | エアサス4本+アーム8本+エンジンマウント3点+オイル類 | 整備工場 | 約80万円 |
部品を持ち込めば工賃は1本1.5万〜4万円、リビルトや中古で1本替えて3.7万〜6.8万円、ディーラーで4本替えると36万円前後、アームなどもまとめて替えると80万円近くになりました。ディーラーの工賃は普通の店の約2倍という声も。ネットでよく見る「4本で70万〜90万円」といった数字は、出典の書かれていない個人サイトのものでした。コンプレッサー交換の具体的な金額は見つかっていません。
同じ時期に重なるもの
エアサスが傷む時期のLSは、ロアアームとアッパーアームのブッシュも切れていることが多く、4.8万km、11.2万km、16万kmの3例で同時に見つかっていました。LSはクラウンやGSより小さく柔らかいブッシュを使っているので、乗り心地はいいが長持ちしにくい、と整備工場は説明しています。ほかにエアサスのアッパーマウント、エンジンマウント、ハブベアリング、ボールジョイントも同じ頃。足回りをまとめて点検すれば、工賃の重なりを減らせます。アームの話はLS460のロアアームの記事、ベンツのエアサスはベンツのエアマチックの記事にまとめました。