レクサスLS460でブレーキを踏むと、足元にゴツッと衝撃が来て、段差ではコトコト、ゴトゴトと音がする。LS460の足回りの異音で、整備工場が「定番」「持病」と呼んでいるのが、フロントのロアアームのブッシュ切れです。アーム1本の部品代は2万円弱の例がある一方、まとめて替えると30万円を超えるという話も。金額の差がどこから生まれるのか、症状の見分け方と、交換の範囲ごとの費用をまとめます。
足回りの異音の原因を確かめる
整備工場への入庫理由でいちばん多かったのは、ブレーキを踏んだときのガタつきや衝撃でした。次が段差でのゴトゴト音です。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| ブレーキ時に足元やハンドルにゴツッ、ゴリッという衝撃 | ロアアームのブッシュ切れ |
| 段差でコトコト、ゴトゴト | ロアアームのブッシュ、エアサスのオイル漏れ |
| 高速でふらつく、わだちでハンドルを取られる、タイヤの内減り | アーム類のブッシュ(異音がないことも) |
| 床下のパキパキ音(LS600h) | ロアアームとテンションロッドのブッシュ切れ |
| リヤから前進・後退の切り返しでカチカチ | ドライブシャフト(アームではない) |
ブッシュが切れると、ゴムがつぶれて金属同士が当たり、音と振動が出ます。ひどくなるとアームが動いてサスペンションのメンバーに当たった跡が残っていた例も。劣化の初めはドライバーが気づくほどの症状がまず出ない、と書いた整備工場もあり、点検で見つかることが多いようです。
エアサスと同時に傷んでいることが多い
4.8万kmのLS460では、コトコト音の原因は右側のエアサスのオイル漏れでしたが、リフトで上げるとアーム類のブッシュがほぼ全部割れていました。アームとエアサスは同時に悪くなっていることが多く、アームだけ替えても音が残る場合があります。ブッシュを替えたのに音が消えない相談では、ボールジョイントのガタやアッパーマウントのへたりを疑う回答がありました。ボールジョイントのブーツが破れてグリスが出ていれば、そこが原因の候補です。
出やすい時期と車
原因はロアアームのゴムブッシュの亀裂や破断で、2トン近い車重で減りが早いという声が多数。知恵袋では「10万kmくらいまでは大丈夫、13万〜15万kmで切れる」という意見が多いものの、4.8万kmでほぼ全部割れていた例もあり、年数による劣化も大きいと読めます。実例は2006〜2010年式が中心でした。前期・中期・後期でゴムが改良されたという話もありますが、オーナーの情報で、メーカーの発表は見つからず、「結局どれも切れる」という声も。車高を下げた車はブッシュがねじれた状態になって傷みやすいという見方も。LS600hは4WDで足回りの作りが違い、ブッシュのトラブルは少ないと書いた整備工場がある一方、LS600hでの交換の実例も複数ありました。
どうやったら直るか
アームごと交換になる理由
直し方はアームごとの交換が基本です。理由は二つあり、一つは純正にブッシュだけの部品の設定がないこと(社外品にはある)。もう一つは、ボールジョイントが固着して外れないことが多いことです。普通の工具では外れず、切断して外した例(左右で約8時間)や、自作の工具を使った例、最悪の場合はナックルごと交換した例もありました。工賃が5万円になるか10万円になるかは、主にこの固着で決まります。
何本替えるか
フロントには左右それぞれ、ロアアームのNo.1とNo.2、アッパーアームのNo.1とNo.2があり、合わせて最大8本。症状が出ている1本だけでなく、ロアの4本をまとめて替える店や、アッパーとロアを全部、エアサスやスタビリンクと一緒に替える店もありました。どこまで替えるかで、金額は大きく変わります。
社外品と、交換後の作業
10万km超のLS460で、ロアとアッパー、ブッシュ類を社外の新品に替えた整備工場は、費用が純正の5〜6割で済むと書いていました。純正で全部やると「安い中古の軽自動車が買える」ほどかかる、とも。社外のOEM品は年式によって加工が要り、取り付けを断る店もあるという注意も見られます。交換後は、車の重さをかけた状態での本締めとアライメントの調整が欠かせません。新品が1年で傷んだのは、タイヤを接地させずに締めたせいでは、という指摘もありました。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| LS460 H20 バージョンC | ロアアーム左右(部品34,800円+工賃50,000円) | 整備工場 | 91,584円 |
| LS460 H18 | ロアアーム左右(5時間) | 整備工場 | 93,280円 |
| LS460 H20 バージョンU | ロアアーム左右、切断して外す(工賃100,000円) | 整備工場 | 145,584円 |
| LS460 H19 | 同上(約8時間) | 整備工場 | 148,280円 |
| LS460 | ロアのNo.1左右63,000円+No.2左右101,800円 | 整備工場 | 約16.5万円 |
| LS460L H20 | アッパー・ロア8本+エアサス+スタビリンク | 中古車店 | 0円(中古車の保証) |
ロアアーム1本の部品代は17,400円の例で、左右2本なら民間で9万〜15万円。差がつくのは工賃で、ボールジョイントが素直に外れれば5万円、切断するなら10万円でした。ロアを4本全部替えると約16.5万円、アッパーやエアサスまで替えればさらに上がります。ある整備工場は「ディーラーなら30万〜40万円、当店なら10万円ほど」と書いていましたが、店の主張で、ディーラーの見積書の実例は見つかっていません。リコールや保証延長も確認できず、中古で買った車では、販売店の保証で負担0円になった例が複数ありました。見積もりの前に保証の有無を確かめたいところです。
同じ時期に重なるもの
アームが傷む年数のLS460は、エアサス(ショックのオイル漏れ)、テンションロッド、スタビリンク、ボールジョイントのブーツ、エアサスのマウントのブッシュと、足回りの部品がそろって順番を迎えます。アームを直した翌年にエアサス、という重なり方が典型でした。LSのエアサスはLS460のエアサスの記事、ハブの音はハブベアリングの記事にまとめています。