E51エルグランドで、高速に乗ると3,000回転あたりから吹けなくなり、速度が上がらない。チェックランプが点き、信号でエンストした。2002〜2010年のE51、とくに3.5L(VQ35DE)の前期・中期で知られているのが、触媒(排ガスをきれいにする部品)の中身が崩れ、その破片をエンジンが吸い込んで壊れるという持病です。2013年にはリコールにもなっていました。触媒の崩れの見分け方と、カム角センサーなどほかの定番の故障、修理代をまとめます。
触媒の崩れを確かめる
触媒が崩れたときの症状は、高速で速度が上がらない、3,000回転あたりから吹けない、エンスト、加速しない、チェックランプ。2003年式のNE51(3.5L)では、P0172(片側のバンクで燃料が濃い)のコードが出ていて、左側のO2センサーを外すとちゃんと吹けるようになりました。排気が詰まっていると判断して調べると、前の触媒が壊れ、その破片で後ろの触媒も詰まっていたそうです。2002年式のE51でも、最初はエアフロメーターを疑ったものの、右側の触媒がバラバラになって排気管を詰まらせていました。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 高速で吹けない、3,000回転から上がらない、P0172 | 触媒の崩れによる排気の詰まり |
| チェックランプ、かかりにくい、走行中のエンスト | カム角センサー(クランク角センサーも同時に壊れた例) |
| DからRに入れるとエンスト | スロットルボディの汚れ |
| 冬の始動直後だけ白煙、走ると消える | マフラーの結露(湯気) |
| 始動時に1分ほど白煙、オイルの焼ける臭い | バルブステムシール(オイル下がり) |
| 異音とオイルの減り(14万km) | 可変バルブタイミングとタイミングチェーン |
エアフロメーターやスロットルの不調と症状が似ているのが、見分けにくいところです。O2センサーを外して吹けるかどうか、排気の背圧を測るかどうかが手がかりになります。
破片を吸い込むとどうなるか
2003年式・11万kmのE51では、前ぶれなく不調になり、ディーラーで「触媒の破片がエンジンに入っている。載せ替えが必要」と言われ、見積もりは100万円以上でした。排気の脈動で破片が吸い込まれる、という説明が回答に見られます。ただ、「シリンダーに傷がついてオイルを食い、白煙が出る」という流れを分解して確かめた整備記事は見つからず、確かなのは「吸い込んで圧縮が落ち、壊れる」までです。
2011年の相談では、右側の触媒が溶けてエンジンに入ったと診断されて修理したところ、4日後に左側の触媒も同じように壊れ、載せ替えを言われていました。回答では、点火系や燃料系の原因を調べずに触媒だけ直したから反対側も壊れた、と指摘されています。触媒は400〜800℃で働き、1,000℃を超えると溶けるという解説もあり、燃料が濃すぎる状態が続けば傷むのも道理。片側が崩れたら、反対側と点火系・燃料系もまとめて点検するのが鉄則でしょう。
リコールの対象
みんカラやまとめサイトによると、2013年9月に、エンジンコンピューターのプログラムの不備で触媒が高温になって壊れるとして、リコールが届け出られています(約12万1,800台)。対象は2002年4月〜2006年11月製造のVQ35DE車で、後期(2006年12月〜)と2.5L(VQ25DE)は対象外。対策はプログラムの書き換えと、壊れた触媒の交換でした。ただし、この内容は日産の公式ページでは確認できていません。整備士のブログは、リコール済みの車でも、コンピューターを中古品に替えていると書き換え済みかどうか分からない、という盲点を挙げていました。
どうやったら直るか
触媒と、吸い込んだあと
触媒だけの段階なら、新品か中古の触媒への交換。2002年式では中古の触媒に替えて1時間で済んでいます。E52では割れた触媒を溶接で直した例もありますが、中身が崩れている場合は溶接では直りません。破片を吸い込んでしまったら、中古エンジン、日産のリビルトエンジン、ヘッドのオーバーホールのどれかになります。
カム角センサー
カム角センサーは、チェックランプ、かかりにくさ、走行中のエンスト、エンスト後にかからない、アイドリングの不安定、加速の悪さが出る部品です。15万kmで壊れた例や、2005年式でクランク角センサーと一緒に替えた例(作業40分)がありました。ボルト1本で留まっているものの、取り付けの位置がずれると反応しないので、プロに任せたほうがよいという回答。社外品の安いセンサー(約6,000円)は当たり外れがあるという意見もありました。DからRでエンストする症状はスロットルの汚れのこともあり、清掃と学習で直った例があります。
ATとエンジンの載せ替え
2005年式のNE51では、ATのソレノイドバルブが壊れ、日産が部品を単体で出していないためAT本体の交換になりました。14万kmで異音とオイル消費が出た2005年式は、中古エンジンへの載せ替えで直しています。後期のミッションについては、特に壊れやすい所はないという回答が多く見られました。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| E51 18万km | カム角センサー(社外品) | 部品だけ | 約6,000円 |
| 2003年 E51 | カム角センサー交換 | ディーラー見積もり | 約3.5万円 |
| E51 15万km | センサー3個の交換 | ディーラー | 5万円弱 |
| E52(参考) | 触媒の溶接修理(交換の見積もりは20万円) | 整備工場 | 88,000円 |
| 2005年 NE51 | AT交換(リサイクル品、8時間) | 整備工場 | 154,980円 |
| 2003年 E51 11万km | 破片の吸い込みでエンジン載せ替え | ディーラー見積もり | 100万円以上 |
センサーで済めば数千円から5万円弱、ATの交換で15万円台、触媒の破片を吸い込んでの載せ替えはディーラーで100万円以上。E51で民間の中古エンジンへ載せ替えた実際の金額は見つかりませんでした。圧縮不良の相談には「ヘッドのオーバーホールは5万円から、エンジンのオーバーホールや載せ替えは20万円から」という回答があったものの、目安の話です。吹けない症状が出た段階で触媒を診てもらえるかどうかが、数万円で済むか100万円になるかの分かれ目になります。
同じ時期に重なるもの
E51は年数がたち、ハブベアリング、エアコンのコンプレッサー(20万円を超える例)、ラジエーターの水漏れ、O2センサー、オルタネーター、パワースライドドア、3列目のパワーウィンドウ、下回りのサビと、ほかの部品の修理も重なってきます。触媒を直した翌年にエアコン、という続き方もあり得るでしょう。加速時の音は加速時のカラカラ音の記事、エンジンの音はカタカタ音の記事にまとめました。