メーターにエマージェンシーブレーキの警告灯が点滅し、自動ブレーキが使えなくなった。晴れた日の昼間だけ出て、曇りの日や夜は出ない。セレナ(C26後期・C27)やエクストレイル(T32)で多いこの相談は、多くが故障ではない一時停止です。ただ、点きっぱなしで消えない場合は、カメラやレーダー、あるいはまったく別のブレーキ部品の故障のことも。点滅と点灯の見分け方、年式で違うセンサーの構成、修理代と車検への影響をまとめました。
点滅か点灯かを確かめる
日産の取扱説明書では、点滅と点灯で意味がはっきり分かれています。点滅は一時的な停止で故障ではなく、フロントガラスの汚れや曇り、前からの強い光、炎天下でのカメラの高温(室温が下がれば戻る)、夜間の無灯火などが条件です。点灯は、設定をOFFにしている、横滑り防止装置をOFFにしている、またはシステムの異常。点灯したら再始動して確かめ、消えなければ販売店で点検、という流れです。
| 出方 | 考えられる状態 | 見分けのヒント |
|---|---|---|
| 点滅。昼だけ、西日、真夏の駐車後、凍結時に出る | カメラの一時停止(光・温度・汚れ・雪) | 条件がなくなると消える。診断機に記録が残らないことが多い |
| 点滅。雪の日、長い橋や壁際を走ったとき | レーダー周辺の雪・泥、誤検知(レーダー付きの年式) | 雪を落とすと戻る |
| 点灯したまま。再始動しても消えない | カメラの内部故障など | C1B00(カメラ内部回路異常)などの記録が残る |
| VDC・ABSなどの警告と同時に点く、プロパイロットで止まらない | ABSアクチュエーター | センサー以外が原因の例 |
真夏の駐車中に室温が38〜40℃になって点滅し、冷えたら消えたC27の例や、凍結や西日で点滅して日陰で消えたT32の例は、典型的な一時停止です。ディーラーで「点きっぱなしは不具合、点滅はお知らせ」と説明されたという声もありました。逆に、点滅が続いてカメラを交換しても改善しなかったC26・C27の例もあり、点滅だけで交換を急ぐと空振りになりかねません。
年式でセンサーが違う
日産のFAQでは、C27は2016年8月〜2019年8月がフロントガラス上部の単眼カメラだけ、2019年8月以降はミリ波レーダーとカメラの組み合わせで、グレードではなく年式で分かれています。T32も2020年1月まではカメラだけ、以降がレーダー付き。C26後期はカメラ検知です。自分の車がどちらかで、雪やレーダー周辺の汚れが原因になるかどうかも変わります。
センサー以外の原因
見落とされがちなのが、ABSアクチュエーター(横滑り防止装置のユニット)の不良です。C27では、診断機で異常が出ないのに警告が続き、ABSアクチュエーターの交換で解決した例や、9.2万kmで「プロパイロットで停止しない」症状にABSアクチュエーターが疑われた例がありました。2016年10〜11月製造のセレナには、ABSアクチュエーター内のポンプのシールが破損するおそれがあるとしてリコールも出ています。
どうやったら直るか
点滅なら清掃と再始動
点滅の場合は、フロントガラスの内側の曇りまで含めて掃除し、車内を冷やしてから再始動する、雪や氷を落とす、といった対処で戻ることが多くあります。ドライブレコーダーやステッカーがカメラの視界にかかっていないかも確かめたいところです。
点灯ならカメラの交換か修理
点灯が続き、故障の記録が残っていれば、カメラの交換か、電装店でのカメラ基板の修理になります。どちらの場合も、取り付けたあとにカメラの向きを調整するエーミングが必須。フロントガラスを交換したときもエーミングが要り、これをしないと警告が消えない、という回答もありました。中古カメラの持ち込みは、ディーラーで基本的に断られるとの声が多く聞かれます。C27の初期型では、カメラを7年で3回交換した例や、交換したものが2週間で再故障した例もありました。カメラやレーダーのリコールは見つかっていません。
車検はどうなるか
2017年2月から点灯したままでは車検の審査を受けられない警告灯は、エアバッグ、ブレーキ、ABS、エンジンで、エマージェンシーブレーキの警告灯は含まれません。2024年10月に始まった故障コードの検査(OBD検査)の対象はC28やT33など新しい型式で、C26・C27・T32は対象外です。「10月から車検に通らない」と言われても、C27やT32には当てはまりません。ただ、ABSアクチュエーターが原因でABSの警告灯も点いているなら、車検には通らなくなります。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| C27 2022年式 | ガラス交換後のエーミング(約1時間) | 整備工場 | 17,600円 |
| HC27 | カメラ基板の修理+故障記録の消去・検証 | 電装店 | 49,500円 |
| C27 初期型 6万km・8.5万km | フロントカメラ交換(各回) | ディーラー | 約11万円 |
| C27 初期型 | カメラ交換 | ディーラー | 約15万円 |
| T32 6年 6万km | カメラ(部品代は無償対応)+キャリパー・制御ユニット交換 | ディーラー | 合計15万円弱 |
エーミングだけなら1.5万〜2万円前後、民間でのカメラ基板の修理なら5万円ほど、ディーラーでのカメラ交換は11万〜15万円。交換部品の保証は半年または1万kmと短いという話もありました。ミリ波レーダー本体の交換費用は見つかっていません。点滅なのか点灯なのか、故障の記録は残っているのかを先に確かめるだけで、無駄な交換を避けられる可能性があります。
同じ時期に重なるもの
エマージェンシーブレーキの不調が出る年式のセレナは、ABSアクチュエーター、フロントガラス(交換にはエーミングが付く)、前後のソナー、そしてCVT(セレナのCVTの記事)やエアコン(セレナのエアコンの記事)と、ほかの持病も並ぶ時期です。カメラを替えた翌年にCVTやエアコンで大きな出費、という重なり方も考えられます。アイドリングストップの点滅についてはC26のオルタネーターの記事にまとめました。