レヴォーグのアイドリング中に、エンジンルームからカチカチ、ガラガラと音がする。踏むとカシャカシャと大きくなり、ディーラーに持ち込んでも「直噴エンジンの作動音です」と言われた――。こうした相談は、とくに2020年以降のVN5で見られます。調べると「燃料ポンプのリコール」の話も出てきますが、リコールの対象はタンクの中の低圧ポンプで、異音の原因として挙がる高圧燃料ポンプとは別物でした。エンジンの型式ごとの違いと、音の見分け方、保証の話をまとめます。
音の出どころを確かめる
直噴エンジンは、正常でも高圧燃料ポンプやインジェクターから「チチチ」「カチカチ」という作動音が出ます。そのため、ディーラーも最初は「許容範囲」と判断しがちでした。故障の音かどうかの手がかりは次のとおりです。
| 聞こえ方 | 考えられる原因 |
|---|---|
| エンジン右側の上から、金属を叩くような音。800〜1,500回転で踏むと大きくなる | 高圧燃料ポンプの劣化 |
| アイドリングでガラガラ、以前より明らかに大きい | 高圧燃料ポンプ(VN5で交換して解消) |
| カチカチ、加速でカシャカシャ、出たり消えたり | 原因が特定されなかった例も(EGRのセンサー交換では直らず) |
| ハンドル下でカチカチ | リレー、ABSのユニット |
| 走行中だけカチカチ | タイヤに挟まった小石など |
VN5のA型(CB18)で、整備工場が「エンジン右側の上から、800〜1,500回転あたりで大きくなる金属の打音」を確かめ、スバルに症例を問い合わせたうえで高圧燃料ポンプの経年劣化と判断した例がありました。別のVN5では、アイドリングのガラガラ音について、ディーラーは当初「高圧燃料ポンプの作動音で許容範囲内」と答えたものの、最終的に保証でポンプを交換し、音は完全に消えたそうです。一度「正常」と言われても、同じ年式の車と聞き比べてもらう、症例を照会してもらう、といった頼み方ができます。
一方、約2.6万kmのVN5でカチカチ音が出たケースでは、EGRのセンサーを2回替えても直らず、マフラーやプラグも話題に上がったまま原因が分からずに終わっていました。音の原因が高圧ポンプでなければ、別の部品を替えても直りません。
エンジンの型式を確かめる
レヴォーグには、VM4(1.6LのFB16)、VMG(2.0LのFA20)、VN5(1.8LのCB18)、VNH(2.4LのFA24)があります。高圧燃料ポンプを交換した実例として見つかったのはVN5のA型だけで、10万km以下、新車保証の期間内の2件でした。VM型の高圧ポンプの異音の事例は見つからず。同じFA20を積む86では、高圧ポンプを留める部品のボルトが折れ、燃料が漏れて白煙とエンストに至った例がありましたが、86は燃料の噴き方が違うので、そのままレヴォーグに当てはめることはできません。
燃料ポンプのリコールは別の話
2021年7月に、スバルは燃料ポンプのリコールを届け出ています(国交省の資料で確認)。ただし対象は燃料タンクの中にある低圧のポンプで、樹脂の羽根車が燃料で膨らんで変形し、作動不良から走行中のエンストにつながるおそれがある、という内容です。異音の話ではありません。レヴォーグでの対象は、VM4(2018年4月〜2019年4月製作、6,348台)とVMG(2018年4〜10月製作、1,626台)で、VNは対象外。対策は低圧ポンプの交換で、済んだ車は車台番号の打刻の近くに黄色のペイントが付いています。
どうやったら直るか
高圧燃料ポンプの交換
直し方は高圧燃料ポンプの交換で、リビルト品や部分修理の情報は見つかりませんでした。整備工場の例では、インテークマニホールドを外す大がかりな作業になり、高圧の燃料パイプ、インテークマニホールド、パッキン類、スロットルボディやEGRのガスケットも同時に新品にしていました。ディーラーに入庫した例では、戻ってくるまで約1週間かかっています。
放置した場合
レヴォーグで放置して悪化した例は見つかりませんでした。別の車種では、燃料の圧力が足りなくなってエンストにつながると説明されています。音が大きくなってきた、加速の感じが変わった、といった変化があれば早めに見てもらいたいところです。
直すにはこれくらいの費用がかかる
見つかったレヴォーグの高圧ポンプ交換は、2件とも新車保証(5年10万km以内)で無償でした。有償で直した場合の金額は見つからず、ディーラーと民間の差も分からないまま。高圧ポンプの交換費用は、クラウン(3.5L・約18万km)で約7万円という体験談がありましたが、車種もエンジンも違い、レヴォーグはインテークマニホールドを外す作業でパイプやガスケットも替えるので、その数字はそのまま当てはめられません。有償になる場合は、作業内容と交換部品の一覧を付けた見積もりを取ってから判断したいところです。
大事なのは保証の期限です。VN5の初期型は2020年10月の発売で、2025年10月以降、新車保証の5年が順に切れ始めています。音が気になっているなら、保証が残っているうちに点検を受け、症例の照会まで頼んでおくのが確実でしょう。高圧燃料ポンプのリコールや保証延長は見つかっていません。
同じ時期に重なるもの
高圧ポンプを替える時期のレヴォーグは、EGRまわりのセンサーやガスケット、スロットルボディのパッキン、インテークマニホールドのガスケットと、ポンプの交換で外す部品の手入れも重なります。エンジンのカチカチ音全般はカチカチ音の記事、スバルのオイル漏れはスバルの記事、CVTはリニアトロニックの記事にまとめました。