RX-8でエンジン警告灯が点き、4,000回転を超えたあたりから吹け上がらなくなった。高速を走ったあとに息継ぎが出る。RX-8(SE3P、13Bロータリー)のこうした不調で、まず疑われるのがイグニッションコイルです。整備工場は「警告灯の原因の大半はコイル」と書いていて、コイル・プラグ・プラグコードの3点を民間で替えると4万〜6万円ほど。ただ、3点を替えても直らなかった例も非常に多くありました。見分け方と、次に疑う順番、費用をまとめます。

コイルの不調かを確かめる

コイルが傷んだときの典型は、エンジン警告灯、4,000〜4,500回転以上での吹け上がり不良や息継ぎ、アフターファイヤー、始動性の悪化、最悪は不動。P0351(点火コイルAの回路)のコードが出て、「回転が上がってからのパワーが伸び悩む」と書いた人もいました。H16年式のタイプS(9.2万km)で、高速を1〜2時間走ったあとに4,500回転以上で吹けなくなった相談では、完全に暖まってから出るならコイルが怪しい、と回答されています。

劣化の目印として整備工場が挙げていたのが、コイルの頭が白く変色すること。不調が出ていなかった車でも4個とも白くなっていて、「徐々に調子が悪くなっていたはず」と書かれていました。H22年式では、コイルが過電流で外装が割れてエンジンがかからなくなり、車両火災の原因にもなりうると整備工場が注意しています。ロータリーは熱量が多く、熱でコイルが劣化するため、プラグとコイルは同時交換を勧める店が多く見られました。

3点を替えても直らない例

症状 実際の原因
4,000回転で「ボフッ」、コイル・コード・エアフロを替えても直らない(7万km弱) 燃料ポンプ(交換で解決)
プラグとコイルは交換済み、12万km・燃料フィルター無交換 燃料ポンプ
息継ぎ(31万km・15年目) SSV(セカンダリーシャッターバルブ)
8,500回転で息継ぎ、診断機でもコードなし(11万km) パージソレノイド、O2センサーが疑われた
3点を全部新品にしても4,000回転の失火感(6.5万km) エアフロの内部故障を指摘
3速以上・7,000回転付近でパワーダウン 触媒の詰まり(排気が抜けない)
加速不良、白煙、排気の臭い(13万km) 圧縮の低下、エアポンプ系、触媒の熱損傷の疑い

RX-8には燃料ポンプのリコールが出ているので(2017年・2016年・2021年)、息継ぎがあるなら、まず対策が済んでいるかを確かめたいところです。圧縮の測定はロータリー専用のテスターが必要で、前後のローターの3つの山の値で判断します。警告灯で失火のコードが出て、冷えているときの始動も悪いなら点火系。3点を替えても高回転の不調が残り、白煙や暖まってからの始動不良があるなら、圧縮・触媒・燃料系を疑う、という整理ができそうです。

触媒とセンターコンソールの熱

「失火を放置すると触媒が溶ける」という話をよく見かけますが、失火から触媒の溶損までを直接つないだ整備工場の解説は見つかりませんでした。4,000回転の息継ぎの相談で、最後に触媒を外したら中身がごっそり出てきたという報告はあるものの、どちらが先だったかは分かりません。燃え残ったガスが触媒で燃えて熱くなるため、失火を放置すれば触媒を傷めるおそれがある、という程度に考えておくのが妥当でしょう。

センターコンソールが熱いのも触媒の兆候と言われがちですが、エンジンとトランスミッションが近いための特性で、ディーラーが断熱材で対応した(保証期間中は無償)という回答が主流でした。急にいつもより明らかに熱くなり、失火の警告灯も点いた、というときに点検を考えればよさそうです。

どうやったら直るか

コイル・プラグ・コードの3点交換

定番は3点の同時交換です。コイルは2つのローターにリーディング用とトレーリング用の計4個あり、スロットルボディの下にあるので、エアクリーナーボックスと吸気ダクトを外して作業します。配線の順番を間違えないよう1本ずつ替えるのがコツ。プラグもリーディング用とトレーリング用で種類が違い、タイヤハウス側から作業します。時間は1〜2時間。NGK製の部品を使った例、マツダ純正を使った例、部品を持ち込んで工賃だけで頼んだ例がありました。

公式の対策はプラグとECUだけ

マツダの公式ページで、イグニッションコイルを対象にしたリコールや保証延長は見つかりませんでした。点火系の公式の対策は、2006年9月のサービスキャンペーン(2003年2月〜2006年8月製造車のエンジンコンピューターの書き換えと、リーディング側のプラグの交換)と、2004年10月のプログラムの書き換えです。「コイルはディーラーで無償交換」という回答も見かけますが、公式の根拠は確認できていません。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
H19 ABA-SE3P プラグ交換(不動でレッカー入庫) 整備工場 10,725円
H17 タイプS コイル交換(工賃11,000円、部品代は別) 整備工場 12,100円
— 純正コイル4個+NGKのコード(部品のみ) 個人 25,000円
H24 スピリットR 純正プラグ+純正コード+工賃12,000円(コイルなし) 整備工場 39,798円
H15 タイプE コイル4個+コード+プラグ4本+工賃18,000円(NGK) 整備工場 56,100円
— 触媒を新品交換 ディーラー(回答者) 工賃込み約20万円

コイルだけなら1万〜3万円台、3点セットで4万〜6万円前後。ディーラーでのコイル交換の金額は見つかりませんでした。触媒まで傷めると20万円前後(社外品の定価も約20万円)になるので、3点を替えても直らないときは、燃料ポンプ、SSV、パージソレノイド、エアフロと順に診てもらい、触媒や圧縮の話に進む前に安い原因をつぶしておきたいところです。

同じ時期に重なるもの

コイルを替える時期のRX-8は、プラグコード、プラグ、燃料ポンプ、SSVや可変吸気のソレノイド、エアポンプ系、パージソレノイド、O2センサー、エアフロ、触媒と、息継ぎの原因になる部品が並んでいます。コイルの次にポンプ、その次にSSV、という順番で直していった記録も珍しくありません。ロータリーの圧縮はRX-8の圧縮の記事、加速時の音は加速時のカラカラ音の記事にまとめました。