停車中、車内に排気ガスの臭いが入ってきて、目がチカチカする。最近は排気音も大きくなったような。スズキの軽(K6Aのジムニーやエブリイ、ワゴンRなど)で、エキゾーストマニホールド(エキマニ)まわりの排気漏れを疑う相談はよく見かけます。ただ、整備工場の実例を見ると、本体の割れだけでなく、ガスケットの劣化や取り付けボルトの折れも同じくらい多く、車の向きによって壊れ方にも違いがありました。見分け方と、原因ごとの費用をまとめます。

排気漏れの原因を確かめる

エキマニまわりの排気漏れで出るのは、車内の排ガス臭、排気音が大きくなる、「バババ」「シュー」という音、ターボの効きが鈍くなる、といった症状です。エブリイ(DA17V・DA64W)の入庫理由は、どちらも「排気音が大きい」でした。原因は大きく三つに分かれます。

原因 実例が多かった車 見分けのヒント
エキマニ本体の割れ ジムニー(JB23・JA11) 割れた周りが黒く変色、タービンや遮熱板が煤で汚れる
ガスケットの劣化 エブリイ(DA64W) 本体は無事で、合わせ目から漏れる
取り付けボルトの折れ・固着 エブリイ(DA17V)、エブリイワゴン(DA52W・62W) ボルトが抜けた、緩んだ跡

漏れはエキマニではなく、ターボの合わせ目やマフラー側のガスケットからのこともあります。エブリイではマフラーとエキマニの間のガスケット、カプチーノでは「エキマニを疑ったら別の場所だった」という例がありました。振動が気になる場合は、排気漏れよりマフラーハンガーの劣化が疑わしいという回答も。エンジンコンディショナーを使ったあと、エキマニのあたりから白い煙が漏れて割れに気づいたJA11の例もあります。

ジムニーは割れ、エブリイはボルト

本体の割れを確認できた実例は、ジムニーが中心でした。知恵袋の回答では、縦置きのジムニーはエンジンルームに熱がこもりやすく、排気の温度が900度を超えるのも普通で、窓が立っているので走行中の風の抜けもほとんどないとのこと。横置きのワゴンRやエブリイはエキマニが前側にあって風が当たるため、割れにくい傾向だが無いわけではない、とされていました。EGRのない車は排気温度が高い、急加速のあとの急な冷え込みや、熱いままエンジンを止めるのもよくない、という指摘もあります。

横置きのエブリイでは、熱と振動でボルトが折れたり緩んだりする例が目立ちました。平成29年登録のDA17Vは取り付けボルト4本のうち3本が折れていて、整備工場がメーカーに確かめたところ、リコールやサービスキャンペーンの対象ではないとの回答だったそうです。K6Aのエキマニはボルトが緩むことがあるとして、トルクレンチでの点検を勧める記事もありました。JB23の2011年式・約7万kmで割れが見つかった例はあるものの、距離の傾向が分かるデータは見つかっていません。

どうやったら直るか

原因ごとの直し方

ガスケットが原因なら、ガスケットの交換だけで済みます。本体が割れていたら「交換以外に無い」という回答で、鋳物のエキマニは新品に替えたほうが安くて早いとのこと。パテでの補修は排気漏れがあると対応できない、という記述もありました。中古のエキマニを使った整備工場の例や、JA11で品番の違う対策部品に替えた例もあります。社外品では、カプチーノで中古の社外エキマニが短い期間で割れ、純正に戻した体験談がありました。

工賃が膨らむ理由

ジムニーはターボを外す必要があり、エアクリーナーボックス、遮熱板、ターボを外して、冷却水のエア抜きまで行います。手間を左右するのは、古いボルトの状態です。

  • JB23:ターボの取り付けボルト7本のうち5本が折れ、フロントパイプ側のネジ山も潰れていた
  • DA17V:3本が折れ、1本はネジ穴の中で折れて取り出しに難航した
  • DA52W・62W:取れないボルトとネジ山が壊れたボルトがあり、穴を広げてネジ山を作り直した(自分で作業して12時間超)
  • JA11:ターボとの接続ボルト3本のうち2本が折れた

見積もりで「外してみないと分からない」と言われるのは、このためです。交換時はスタッドボルト、ナット、ガスケットを新品にするのが基本でした。放置すると、排気漏れで車検に通らない、一酸化炭素中毒の危険がある、タービンまで壊れて10万円以上に膨らむことがある、と整備工場や回答者は注意しています。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
ジムニー JB23 2011年 約7万km エキマニ割れ 回答者の見立て 部品と工賃で約3万円
ジムニー K6Aターボ エキマニ割れ(作業2時間程度) 回答者の見立て 部品込み約4万円
ジムニー JA11 平成5年 エキマニ割れ 自分で作業 部品一式25,000円強
ジムニー JA11V エキマニとガスケット類の全交換(対策部品) 自分で作業 約4万円
エブリイ DA17V・DA64V ガスケットだけの交換 カー用品店の目安 15,000〜30,000円
同上 エキマニ交換 カー用品店の目安 40,000〜70,000円
同上 スタッドボルトの修理 カー用品店の目安 20,000〜50,000円以上

ガスケットだけなら1.5万円から、本体の交換で3万〜7万円、ボルトがネジ穴の中で折れていると工賃が上乗せされます。エブリイの目安はお店が示した一般的な幅で、実際の請求額ではありません。整備工場のブログには金額が書かれていないものが多く、ディーラーと民間の比較も見つかりませんでした。ワゴンR(MH21S・MH22S)の実例も今回は取れていません。

同じ時期に重なるもの

エキマニを外す年数のターボ車は、ターボ本体(外したときにオイルのにじみが見つかり、リビルトを検討した例も)、ターボの前後のガスケット、ヘッドカバーのパッキン、フロントパイプのボルト、エンジンマウント、マフラーハンガーも傷みが出る時期です。ターボの不調は軽のターボの記事、加速時の異音は加速時のカラカラ音の記事にまとめました。