走行中にメーターの「AT OIL TEMP」が赤く点滅し、同時にVDCやアイサイト、電動パーキングの警告灯まで一斉に点いた。再始動すると一度は消えるのに、また点く。レヴォーグ(VM)やフォレスター(SJ)、レガシィ(BR)、インプレッサ、XVなど、リニアトロニックCVTを積んだスバル車で多い相談です。この点滅の多くは、実際に油温が上がっているのではなく、CVT内部の部品の故障でした。原因と、部品単位で直す方法、CVTのフルード漏れ、そして保証の確かめ方をまとめました。

何が起きているかを確かめる

典型的な出方は、AT OIL TEMPの点滅と一緒に複数の警告灯が点き、アイサイトが停止するもの。アイサイトが止まるのはVDC系のエラーが連動するためで、CVTそのものが原因です。ロックアップが効かず回転が高いまま走る、パドルの表示が消えて4速固定のような状態になる、という記録もありました。

症状 考えられる原因 故障コードの例
AT OIL TEMP点滅+多数の警告灯、回転が高いまま走る バルブボディ内のロックアップ用ソレノイド P2762〜P2764
同上、4WD関連の警告も AWDの圧力を制御するソレノイド P0970〜P0977(P0971など)
発進や低速でのジャダー+点滅、オイルパンに鉄粉 バルブボディと回転センサー バルブボディ・回転センサー系
警告灯は点かず、エンジンとCVTの継ぎ目がにじむ オイルポンプのシール、ケースの合わせ面からのフルード漏れ —
本当に油温が高い(坂道や渋滞のあと) 一時的な高温 点灯で済み、冷えれば消える

点滅して再始動しても繰り返すなら、制御系の故障を疑う順番です。民間の専門店が測った例では、正常で12.2Ωのソレノイドが33.0Ω、2〜4.5Ωのものが94.7Ωに上がっていて、劣化した部品が数値ではっきり分かっていました。修理の記録は7.8万〜18万kmに集まっています。

フルード漏れは別の持病

警告灯とは別に、CVTのオイルポンプのシールやケースの合わせ面からフルードがにじむ持病もあります。7万km前後からにじみ始める例が多く、低速で減速しているときにガクッとつながるショックが、漏れの修理で治ったという報告もありました。漏れているだけなら警告灯は点かないので、点検や車検で指摘されて気づく人が多いようです。エンジン側のオイル漏れについてはスバルのオイル漏れの記事にまとめています。

どうやったら直るか

部品単位で直す方法

ディーラーが提案するのは、ソレノイドが組み込まれたコントロールバルブ(バルブボディ)を一式で交換する方法です。作業は12時間を超え、担当整備士が「成功率8割、駄目ならCVT本体の交換」と話していた記録もありました。民間の専門店では、バルブボディを外して抵抗値を測り、悪いソレノイドだけを交換して、ストレーナーとフルードを替え、学習をやり直す、という方法。ディーラーで21.5万円の見積もりだったVM4を、民間でソレノイド単体の交換で直した例もあります。

本体の載せ替えとフルード漏れ

本体の交換になると、新品のディーラー見積もりで108万〜110万円。中古品で約4割安くした民間の例はあるものの、持ち込み品の取り付けを嫌がるディーラーもあり、型式の世代を合わせる注意も必要です。リビルト品の価格は見つかりませんでした。フルード漏れは、ミッションを降ろしてシールを替え、液体ガスケットで再シールする修理で、部品は千円足らずでも脱着の工賃が10万円ほどかかります。ソレノイドの不良を放置すると鉄粉が増え、本体交換まで進むおそれがあるとされていました。

保証延長は国内には無い

「スバルがCVTの保証を10年に延ばした」という話を見かけますが、これは米国だけの措置で、国内ではリニアトロニックCVTの保証延長は見つかりませんでした。国内で確認できたミッションの保証延長は、BL5レガシィなどの5AT(CVTではない)の回転センサーで、新車登録から9年という内容です。国内で頼れるのはメーカーの特別保証(新車登録から5年または10万km)で、2回目の車検の直前にフルード漏れが無償で直った例がある一方、8年落ちでは14万円の有償でした。警告が出たら、まず保証の残りを確かめるのが最初の一手になります。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
レガシィBR 2013年式 9万km オイルポンプからのフルード漏れ ディーラー 約10万円強(部品751円+脱着工賃100,980円)
スバル車 8年目 CVTフルード漏れ ディーラー 14万円(工賃12万+部品2万)
レガシィBRG 12.4万km ロックアップソレノイド+ストレーナー+フルード 民間専門店 14万〜15万円の目安
アウトバックBS9 7.8万km コントロールバルブ交換 ディーラー 約15万円
レヴォーグVM 1.6 コントロールバルブ交換(12時間超) ディーラー 約16万円
フォレスター 6年目 CVTフルード漏れ(保証外) ディーラー 約17万円
レヴォーグVM コントロールバルブ一式交換 ディーラー 18.8万円
レヴォーグVM4 2020年式 11.3万km コントロールバルブ一式の見積もり ディーラー 21.5万円
WRX S4 CVT本体 新品の見積もり ディーラー 108万円

フルード漏れは10万〜17万円、バルブボディやソレノイドの交換は14万〜21.5万円、本体の新品は100万円を超えます。金額の差を生むのは、一式で替えるか部品単位で替えるかと、本体まで行くかどうか。ディーラーの一式交換は成功率が高い代わりに高く、民間のソレノイド単体の交換は安く済む可能性があるものの、対応できる店が限られます。故障コードを控えておくと、どこまでの作業が必要か店と話がしやすくなるでしょう。

同じ時期に重なるもの

CVTの不調が出る7万〜18万kmのスバル車は、エンジンのカムキャリアからのオイル漏れ、ラジエーター、ハブベアリング、そしてインヒビタースイッチ(リコールあり)と、続けて手のかかる部品が並ぶ時期です。インヒビタースイッチやEGR圧力センサーのリコールも警告灯を点けるので、CVTの故障と見分けるためにも、車台番号でリコールの実施状況を確かめておきたいところ。CVTを直した翌年にエンジンのオイル漏れで20万円、という流れも珍しくありません。CVT全般の症状はATとCVTの記事にまとめました。