屋根を開けようとスイッチを押したら、窓は下がったのにトランクが動かず、モーターの音だけが続いた。あるいは途中で止まって、手で支えないと屋根が下がってくる。初代コペン(L880K)の電動ルーフ「アクティブトップ」では、年数が経つとこうした不調がよく起きます。主な原因は油圧ポンプの劣化ですが、故障ではない理由で止まっていることも少なくありませんでした。止まった場所から原因を絞る方法と、手で閉める手順、修理の選択肢と費用をまとめました。

まず故障かどうかを確かめる

初代のアクティブトップは、ロックの解除、車速ゼロ、サイドブレーキ(1ノッチでも可)、トランクの仕切り板が付いていること、が開閉の条件です。閉めるときは、トランク上のカバーを外していることも加わります。仕切り板のずれ、トランクの大きな荷物、ロックの解除忘れ、サイドブレーキの引き忘れで止まる例が多く、仕切り板を戻したら直った、という記録もありました。インジケーターが点滅して止まるのは、仕切り板のセンサーのエラーのことが多いようです。

止まり方 考えられる原因
動きが遅い(正常は約20秒が35〜50秒)、途中で手で支える必要がある、寒いと特に遅い 油圧ポンプの劣化(内部で圧が抜ける)
窓は下がるのにトランクが動かない、トランクが少し浮いて止まる 油圧ポンプ、またはトランク内の荷物・仕切り板のセンサー
三角窓が下りず、そこで止まる パワーウインドウのコンピューター、三角窓のコネクターの劣化、ルーフのコンピューター
ボタンに無反応、トランクのボタンも効かない センサーの故障でトランクの状態から抜けられない
ときどき動かないが、トランクを開け閉めすると直る トランクの開閉を見るセンサーの調整不良

コペン専門店は「ほとんどが油圧ポンプの不良で、シリンダーが原因なのは5%程度」と書いていました。シリンダーの漏れは、ポンプを替えても作動油が減るときに疑う二次的な原因です。電気系で多いのは、トランク内の雨漏りによるコンピューターの腐食、全部で12個あるセンサー、三角窓のコネクター。ヒューズは17番がルーフ、22番がパワーウインドウのコンピューターで、バッテリーのマイナス端子を外すとコンピューターがリセットされます。

使わないことも原因になる

長く動かさないと油圧が下がったり、可動部が固着したりする、という指摘があり、月に1回は開閉するよう勧める声がありました。半年ぶりに開けたら途中で止まった例もあります。暑い日や寒い日だけ動かないという報告は多いものの、温度で制御しているかどうかは情報が食い違っていて、電圧の低下を疑う回答もありました。不調は15年落ちあたりから増えると専門店は見ています。

ほかに、シリンダーの中にワッシャーが噛み込んでいた例や、作動油が劣化していた例もあり、原因は一つとは限りません。動きが遅くなっても、まだ開閉できているうちに点検を受けると、出先で開いたまま閉まらないという事態を避けやすくなります。オープンにしたまま出かけた先で雨に降られると、車内とトランクが水浸しになるので、遅くなってきたと感じたら早めの相談が安心です。

どうやったら直るか

応急処置と手で閉める方法

エンジンを切って15分〜1時間置く、コンピューターをリセットする、スイッチを20秒ほど長押しする、荷物と仕切り板を確かめる、といった応急処置で動くことも。開いたまま閉まらない場合は、手で閉める手順があります。エマージェンシーキーでコンソールボックスの底のカバーを外し、ワイヤーを引いてトランクを開け、トランク内の左右のフックを外し、パネルとルーフを持ち上げて閉じ、左右をロックしてからトランクを左、右、後ろの順でロックする流れです。2人以上で、手袋をして作業します。ダイハツの公式動画もあるとのこと。手で押して閉めても、ロックがかからず浮いたままになった例があるので、雨の前に確実に閉めたいところです。

修理の選択肢

センサーやコンピューターが原因なら、部品は数千円から中古で2万円ほど。作動油の交換は何度しても改善せず、ポンプの交換で直った例がありました。ポンプは専門店のリビルト品があり、交換作業は短時間で済みます。もう一つの選択肢が、2代目(LA400K)用のポンプとシリンダーのセットを移植する方法で、初代用より部品が新しく、耐久性の見込みはリビルトの5〜10年に対して15〜20年と専門店は書いていました。初代用のポンプ単体には流用できず、セットでの移植になります。ディーラーはルーフの油圧一式の交換が基本です。ルーフに関するリコールや保証延長は見つかりませんでした。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
L880K センサー交換 整備工場 1,000〜2,000円
L880K 2005年 ルーフのコンピューターを中古に交換 整備工場 22,000円
L880K リビルトポンプ(店頭取付、2年保証) コペン専門店 77,000円
L880K LA400K用ユニットの移植 コペン専門店 99,000〜193,600円
L880K 一式の見積もり(うちポンプ168,480円) ディーラー 232,632円
L880K 油圧ライン一式+工賃 ディーラー 約50万円

センサーやコンピューターなら数千円から2万円台、リビルトのポンプで7.7万円、2代目用ユニットの移植で10万〜19万円、ディーラーの一式交換は23万〜60万円。同じ不調でも、専門店とディーラーで3倍以上の差がつきます。ディーラーで30万円を超える見積もりだったものを、シリンダーとセンサーの組み直しと作動油の補充で約半額にした整備工場の例もありました。中古で買ったコペンは、販売店が「電動ルーフは保証の対象外」としていることもあるので、購入時の保証の範囲を確かめておきたいところです。

同じ時期に重なるもの

ルーフの不調が出る年数の初代コペンは、トランク内の雨漏り、フェンダーなどのサビ(コペンのサビの記事)、ウェザーストリップの劣化と、オープンカーならではの持病が並ぶ時期です。雨漏りを放置するとコンピューターの腐食が進み、ルーフの故障を呼ぶ悪循環になります。ルーフを直すついでに、トランクの水の入り方も見てもらうと再発を防ぎやすいでしょう。同じダイハツの電動装置の不調はタントのスライドドアの記事でも扱っています。