一晩置いたエスティマ3.5のエンジンをかけると、直後の数秒だけディーゼル車のようなガラガラ音がして、すぐ消える。毎回ではなく、数回に一回。50系のエスティマ(2GR-FE)で、こうした相談は「定番」と言われるほど多く見られます。原因として知られているのはVVT-i(可変バルブタイミング)のギアで、ディーラーで交換して完全に直った例もありました。ただし部品は約2万円でも、エスティマはエンジンを降ろす作業になるため、総額は25万〜30万円。見分け方と、直す・直さないの判断材料をまとめます。
VVT-iギアの音かどうかを確かめる
典型的なのは、12時間以上や一晩置いたあとの始動直後に「ガラガラガラ」と数秒鳴って消えるパターンです。暖まった状態でかけ直しても鳴りません。H19年式のGSR55W(約12万km)では、オイル交換の直後は2〜3回に1回、オイルが古くなると2回に1回と、頻度が上がっていったそうです。外気温には関係なく鳴った、というオーナーもいました。
仕組みについては、エンジンを止めている間はVVT-iの中の羽根をロックピンで固定しておくのに、そのピンが摩耗したり効かなかったりすると、始動直後に油圧が立ち上がるまでの間、羽根が暴れて鳴る、と回答者は説明していました。油圧がかかれば消えるので、走りには影響しないという見方です。
| 音の出方 | 考えられる原因 |
|---|---|
| エンジンがかかった直後の数秒、冷えているときだけ、数回に一回 | VVT-iのギア(カムシャフトタイミングギヤ) |
| セルが回っている間だけ鳴る | スターター |
| ベルトのあたりから鳴り続ける | ベルトテンショナー、アイドラープーリー |
| 2.4L(2AZ)で始動時にガラガラ | バランスシャフトのギアの破損 |
スターターを疑って社外品に替えたら、セルの回りは元気になったものの音は消えず、結局VVT-iだったという例がありました。エスティマで始動時の異音がベルトテンショナーだった例(交換40,590円)もあります。同じエスティマでも2.4Lは原因の候補が違うので、まず排気量を確かめたいところです。H20年式の3.5L(9万km)で、ディーラーに「典型的なVVTの音ではない」と言われ、ポンプやテンショナー、スターター、マウントまで替えても直らなかった相談もありました。
出やすい時期と車
新車の納車2日後から鳴り出したGSR50(H18年登録)の例があり、2006〜2007年ごろには、ディーラーが「メーカーは把握している」「対策品がある」と話していたそうです。一方で、対策品になっているはずなのに鳴っているという書き込みもあり、対策品で完全に止まったかは分かりません。見つかった実例はエスティマが中心で、ほかに3.5Lのクラウン(2GR-FSE)やレクサスGS、4GRのクラウンでも同じ症状がありました。ハリアーやマークXでの実例は見つかっていません。
どうやったら直るか
ギアの交換
直し方は、VVT-iのカムシャフトタイミングギヤの交換です。エスティマは横置きのV6なので、エンジンを降ろす必要があり、3.5Lで工数約30時間という回答もありました。GSR55Wでは、交換から3か月後も「ガラガラ音は完全に解消」と書かれています。片側か両側か、吸気か排気か、何個替えるのが標準かは、資料では分かりませんでした。
オイルと添加剤
応急的には、オイルの粘度を上げる方法がとられていました。0W-20から5W-30に替えてディーラーが解決した例があります。添加剤は、効いたものの約3,000kmで効き目が薄れた例、皆無になった例、効かなかった例と、個体差が大きく、根本の修理ではありません。
直さない選択
整備側の見解は「走行には支障ない」「気にならなければそのまま」で一致していて、悪化してエンジンの故障に至った実例は見つかりませんでした。修理費が車の価値を超えるので直さない、という判断もあり得ると書く整備工場も。VVT-iギアを対象にしたリコールや保証延長はトヨタ公式で確認できず、無償で直った例はどれも新車保証の期間内でした。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クラウン 18系 | VVT-iのオーバーホールか交換(見積もり) | — | 工賃込み約10万円 |
| エスティマ | VVT-iの修理(オーナーが聞いた目安) | 民間/ディーラー | 15万円〜/工賃だけで20万円〜 |
| エスティマ 50系 | VVT-iプーリーの交換 | ディーラー見積もり | 25万円 |
| エスティマ GSR55W H19 約12万km | ギア交換(部品約2.2万円)+プラグ・コイル各6本、ポンプ、マウント4か所 | ディーラー | 308,000円 |
| クラウン(4GR)8.5万km | 対策品のプーリーに交換(2日) | ディーラー | 無償(新車保証内) |
部品は約2万円でも、エンジンを降ろす工賃が20万円を超えるので、エスティマでは総額25万〜30万円。クラウンでは約10万円という見積もりがあり、エンジンの積み方による差と思われますが、資料では確かめられていません。民間で実際に交換した金額の記録は見つかりませんでした。GSR55Wのオーナーは、エンジンを降ろすついでにプラグ、コイル、ポンプ、マウントも替えていて、同じ工賃でほかの部品の手入れも済ませる考え方です。
同じ時期に重なるもの
VVT-iの音が気になる年数のエスティマは、ウォーターポンプ、エンジンマウント、イグニッションコイル、プラグ、ベルトテンショナー、アイドラープーリー、オルタネーターのプーリー、スターターと、始動時の音の原因になりうる部品も並んで古くなっています。2GRのポンプは2GRのウォーターポンプの記事、オイル漏れはヴェルファイアのオイル漏れの記事、始動時の音全般は始動時のガラガラ音の記事にまとめました。