ジムニーで60〜80km/hほどで走っていて、段差を越えた瞬間にハンドルが持っていられないほど左右に振れ出した。タイヤもバタバタと揺れ、スピードを落とすまで止まらない。「ジャダー」と呼ばれる、ジムニーではよく知られた症状です。前輪が1本の車軸でつながる構造のため、片側の振れが反対側に伝わって共振しやすいのが理由とされていました。疑う順番を安い順に並べ、それぞれの修理代と、1か所直しても再発する理由をまとめます。
ジャダーかどうかを確かめる
ジャダーの目印は、段差やギャップを越えたのがきっかけで振れが始まり、減速するまで止まらないことです。一度止まって加速すると収まっても、また出ることがありました。実例の速度は60km/hから、75〜80km/h、70〜110km/hまで。似た症状とは、次のように区別できます。
| 症状 | 考えられるもの |
|---|---|
| 段差がきっかけでハンドルが激しく振れ、減速まで止まらない | ジャダー(足回りのガタ) |
| 速度に比例していつも細かく振動する | ホイールバランスの不良、泥の詰まり |
| ブレーキを踏んだときだけ振れる | ブレーキのジャダー(ローターの歪み) |
| 発進や2〜3速で車体が震える、ハンドルは振れない | クラッチのジャダー |
| ハンドルのセンターが戻りにくい | ステアリングダンパーの不良 |
自分で見られるのは、ジャッキアップしてタイヤを上下にゆすってみること。ガタがあれば、キングピンのベアリングやハブのベアリングが疑わしくなります。JB23の6型(2.5万km)やリフトアップしたJB64では、ホイールバランスや泥の詰まりが原因で、洗車で直った例もありました。
出やすい型式
もっとも多いのはJB23で、「JA11より重症化しやすい」「特に発生率が高い」と専門店は書いていました。コイルスプリングのJA12・JA22も基本の構造は同じで、報告が少ないのは販売台数が少ないためという回答があります。JB64は「かなり少ないとは思うが、ゼロではない」とされ、キングピンのベアリングとシールの劣化で、キングピンのオーバーホールをして直った例がありました。距離のはっきりした目安はなく、事例は2.5万km、14万km、15万km、20万km超、22万kmと幅があります。
どうやったら直るか
安い順に疑う
専門店の点検の順番をまとめると、安く簡単な順に次のようになります。
- タイヤの空気圧、ホイールバランス、タイヤの偏った摩耗、ホイール内側の泥
- 足回りのボルトの増し締め(ラテラルロッド、スタビ、リーディングアーム)
- トーインやキャスター(アライメント)
- ステアリングダンパーの抜け
- キングピンのベアリングのガタ、ナックルのシール(本命)
- ラテラルロッドのブッシュ、ドラッグリンクやタイロッドエンドのガタ
- ハブベアリング、ステアリングギアボックスの遊び
- リフトアップや大径タイヤの影響(キャスターの不足、重いホイール)
「最も多いのはキングピンのベアリングの摩耗とガタ、ナックルのシールの摩耗」と書いた体験記もありました。
シム調整とステアリングダンパーの限界
キングピンのシムを薄いものに替えて締め付けを強めると、JA22では5,720円で直った例がありました。ただし、15万kmのJA22では、長くガタを放置したあとにベアリングの受けの部分が割れていて、専門店はシムでの調整で割れた例を警告しています。安く効くこともあるものの、摩耗が進んだベアリングでは根本の解決にならない、と考えておくのが無難です。ステアリングダンパーも、振れを抑える効果はあっても、ガタという原因は残ります。
1か所直しても再発する
JB23のあるオーナーは、ハブベアリングを替えて再発、キングピンを分解清掃してシールを替えて1年後に再発、最後にタイロッドエンドを替えてようやく直りました。20万kmのJB23でも、キングピンを替えて3万km後に再発し、ナックルの洗浄とグリス、規定のトルクでの組み直しで改善しています。1か所直しても残りのガタが次の原因になる「もぐら叩き」になりやすいので、複数の場所を一度に診てもらうのが近道です。放置すれば、ベアリングの受けの破断やタイヤの段差摩耗につながっていました。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| JA22W H8 | キングピンのシム交換 | 整備工場 | 5,720円 |
| JB64W R3 | ステアリングダンパー交換(部品持ち込み) | 整備工場 | 工賃11,000円 |
| JB23 22万km | アライメント(キャスターの補正ブッシュを併用) | 整備工場 | 27,500円 |
| JB74W R3 | 社外のステアリングダンパーに交換 | 整備工場 | 42,900円 |
| JB23W H10 | ジャダーストップのキット取り付け | 認証工場 | 44,726円 |
| JB23 | ナックルのオーバーホール 片側/両側 | 専門店の価格表 | 42,020円/84,040円 |
| JB23W H12 14万km | キングピン、ベアリング、シール交換(4時間) | 整備工場 | 64,108円 |
| JB23W H29 | ナックルOH+ギアボックスの遊び調整 | 整備工場 | 70,906円 |
| JB23系 | 対策ベアリング+強化テンションロッド(ノーマル/リフト車) | 専門店 | 103,125円/118,965円 |
| JB23W H17 | ナックルOH、キングピン4本、ハブベアリング、ジャダーストップ | 整備工場 | 135,000円 |
シム調整で5千円、ダンパーで1万〜4万円、アライメントで3万円弱、キットの取り付けで4.5万円、ナックルのオーバーホールで片側4万・両側8万円、ハブベアリングまで含めると10万〜13.5万円。ディーラーの価格の事例は見つかりませんでした。ジャダーを対象にしたリコールも、スズキの公式ページは中身を読めず確認できていません。リフトアップやタイヤの変更をしている車は、保証の対象外になるという指摘もありました。
同じ時期に重なるもの
ジャダーが出る年数のジムニーは、ナックルのシール(グリスやギアオイルの漏れ)、アクスルのオイルシール、ハブベアリング、ロッキングハブのガスケット、タイロッドエンド、ドラッグリンク、ラテラルロッドのブッシュ、テンションロッド、ステアリングギアボックスと、前の足回りの部品がそろって傷んでいます。どれか1つを直すと次が目立つ、というのがジムニーの前回りでした。ハブの音はハブベアリングの記事、エキマニの割れはエキマニの記事にまとめています。