150系プラドのディーゼル(2.8Lの1GD-FTV)で、尿素水を補充したばかりなのに、また残量の警告が出た。あるいは「DPF再生不十分」の表示が出て、手動で再生しても消えない。尿素SCR(AdBlue)とDPF(トヨタの呼び方はDPR)は、どちらも排ガスをきれいにする装置で、警告の出方が似ています。尿素水ポンプには無料交換のサービスキャンペーンがありますが、対象は2016年4月までに作られた初期の車だけ。警告ごとの見分け方と修理代をまとめました。

どの警告かを確かめる

1GD-FTVは2015年6月の一部改良から積まれたエンジンで、尿素水タンクは12L。消費の目安は1,000〜1,500kmで1Lほどで、残りが約2Lになると「あと約2,000km」の警告が出ます。尿素水が空になると、エンジンの再始動ができなくなる仕組みです。補充すれば警告は消えます。

警告・症状 考えられる原因
残量警告、補充すると消える 尿素水の残量不足
満タンにしてもすぐ残量警告、アンモニア臭、エンジン警告灯 尿素水ポンプ内の圧力センサーの不良(キャンペーン対象)
尿素系のセンサーのエラー ポンプ・ノズルの噴射不良、結晶による詰まり、品質・温度センサー
DPF再生不十分、手動再生で下がる 短距離走行など使い方による煤の堆積
DPF再生不十分、手動再生でも下がらない、すぐたまる インジェクター、燃料フィルター、センサーの不良も疑う

見分けの決め手は、補充したあとの様子です。補充したばかりなのにすぐ残量警告が出るなら、残量ではなくポンプの故障を疑うことになります。2015年9月登録・6.5万kmのプラドでは、尿素系のセンサーのエラーでディーラーの見積もりが約8万円以上になったという投稿がありました。尿素系の警告の原因は、診断機で故障コードを読んで切り分けます。

DPFの警告は使い方だけが原因とは限らない

DPFは、短い距離の走行やアイドリングが多い、暖まる前にエンジンを止める、再生の途中でエンジンを止める、といった使い方で煤がたまりやすいとされています。ただ、令和2年7月に納車された後期のプラドでは、片道15kmの通勤なのに約1年で「DPF再生不十分」が最大になり、エンジン故障、プリクラッシュセーフティ故障、パーキングサポート故障の表示まで同時に出ました。回答では、インジェクターの不良や燃料フィルターの詰まり、センサーの異常で再生の温度が上がらない可能性が挙がっています。約3年で堆積が最大になり手動再生が必要になった例や、約5万kmで堆積率170%になった例もありました。

尿素水ポンプのサービスキャンペーン

トヨタは2022年6月から、尿素水ポンプのサービスキャンペーンを行っています(トヨタ公式で確認。リコールではありません)。ポンプ内の圧力センサーに余分なはんだのフラックスが付いたものがあり、高温多湿の環境で使い続けるとショートするおそれがある、という内容です。対象はGDJ150W・GDJ151Wのうち、2015年5月11日〜2016年4月13日に製造された車(車台番号GDJ150-0001001〜0012879、GDJ151-0001001〜0003793)。症状が出たら、ポンプを無料で良品に交換します。

これは保証期間を延ばす制度ではなく、「症状が出たら交換する」形のキャンペーンでした。2017年9月以降の後期の車は製造期間から外れているので、対象にはなりません。まず車検証の車台番号が範囲に入っているかを確かめたいところです。尿素系の故障の警告が出てから再始動できなくなるまでの距離は、今回の調査では確認できていません。取扱説明書で確かめておくと安心です。

どうやったら直るか

尿素系

残量不足なら補充です。最少の補充量は3.8L、2019年以降の車は5.2Lとされていました。ポンプが原因ならポンプ本体の交換で、キャンペーン対象車は無料。リビルト品や中古のポンプの事例は見つかりませんでした。JIS規格外の安い尿素水がポンプの故障の原因になると書いた解説もありますが、根拠は示されていません。

DPF

DPFの直し方は、診断機での強制再生、洗浄剤を入れてからの強制再生、ドライアイスでの洗浄、本体の交換と段階があります。約5万kmで堆積率170%のプラドは、ディーラーで触媒の交換・約30万円と言われたあと、民間の認証工場で専用の洗浄液をセンサーの穴から入れて強制的に燃やし、堆積率は8%まで下がって警告灯も消えました。本体の交換は不要で、費用はディーラーの見積もりの約10分の1だったそうです。インジェクターが原因なら、故障コードを読み、洗浄、シール交換、1本ずつの交換という順で進める流れでした。放置すれば煤がたまり続け、洗浄では済まずに交換になります。

直すにはこれくらいの費用がかかる

状況 内容 店 金額
キャンペーン対象車 尿素水ポンプの交換 ディーラー 無料
2015年9月登録 6.5万km 尿素系センサーのエラー ディーラー見積もり 約8万円以上
約5万km DPF堆積率170% 触媒の交換 ディーラー見積もり 約30万円
同上 洗浄+強制再生 民間の認証工場 見積もりの約10分の1

DPFの交換で30万円前後、民間の洗浄なら数万円の可能性があり、尿素系はキャンペーン対象なら無料、対象外なら8万円以上の例。まとめサイトでは尿素水ポンプ約15万円、インジェクター1本4万円から、という数字もありましたが、根拠は示されていません。年式・距離・部品代・工賃がそろった実例は少なく、NOxセンサーや尿素のヒーターの費用も見つかりませんでした。納車1年でのDPF不良はディーラー保証で無償修理の見込み、という回答もあり、新しい車なら保証の範囲を先に確かめておきたいところ。

同じ時期に重なるもの

DPFや尿素系の警告が出る年数のプラドは、インジェクター、燃料フィルター、各種センサー、EGRの汚れ、尿素の噴射ノズルの結晶の詰まりも気になってくる時期です。デリカD:5のDPFはデリカD:5の記事、インジェクターはハイエースの記事、CX-5の煤はCX-5の記事で扱っています。