DPFの警告灯が点いて、エンジンが吹け上がらなくなった。最近はDPFの再生が頻繁で、50kmほどでまた始まる。デミオ(DJ5FS・DJ5AS)やCX-3の初期型に積まれたSKYACTIV-D 1.5では、煤の詰まりに関わる故障がよく相談されます。ただ、製造年月と警告灯の点き方によって、無償で直るか、3万円台で済むか、30万円を超えるかが分かれる、というのが調べて分かったことです。症状の見分け方と、リコールの確認、実際の修理代をまとめました。
警告の出方を確かめる
取扱説明書では、DPFの警告灯が点灯するのはPM(煤)が規定量を超えた状態で、暖機後に時速20km以上で15〜20分走れば消える、とされています。点滅はシステムの異常で、すぐ販売店へ、という扱いです。再生の間隔は正常で150〜300kmほどとされ、50〜90kmまで縮んだという報告が複数ありました。再生中はアイドリングストップが止まり、回転が少し上がります。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| DPF警告灯が点灯、再生の間隔が短い | 短距離・低速の使い方で煤が溜まる |
| グローランプの点滅、エンジン警告灯 | インジェクター・排気バルブまわりの煤(リコールの想定する合図) |
| 警告灯は点かないのに加速時に吹けない | 吸気ポートの煤の堆積 |
| 失火のコード(P0302など) | インジェクターの不良 |
| 雨の日に車の下がにじむ、駐車場に垂れる | 樹脂のインテークマニホールドの継ぎ目からのオイル漏れ |
| DPFを洗っても再発する | オイル消費(ターボやエンジンの摩耗)による灰の蓄積 |
9万kmのDJ5FSでは、警告灯が点かないまま加速が鈍く、吸気の8つのポートに煤が大量に溜まっていた例がありました。吸気の煤は5万kmでも狭くなり始め、10万km前後でポートが半分以下に狭まった例もあります。インテークマニホールドのオイル漏れは8.3万〜14万km、DPFの修理は13.5万〜19.5万kmで報告されていました。
インマニのオイル漏れは、ブローバイに含まれるオイルの霧が樹脂の継ぎ目からにじむもので、過給圧や走りは正常なことが多いと整備工場は書いていました。走りに影響が無いので後回しにされがちですが、漏れたオイルが下回りに広がると車検で指摘されます。煤の詰まりと一緒に見つかることが多いので、点検のときにインマニの周りも見てもらうと、別々に預ける手間を省けるでしょう。
製造年月でリコールの扱いが変わる
1.5Dの煤に関わるリコールは2回あります。2016年9月は、吸入空気量の制御が不適切で煤が増え、排気バルブが動きにくくなって最悪はエンストするおそれがあるとして、制御の書き換えと煤の清掃を行うもの(デミオは2014年8月〜2016年8月製造)。2018年2月は、全車で制御を書き換えて煤を清掃するとともに、エンジン警告灯の点灯やグローランプの点滅が出たらバルブスプリングとインジェクターを無償で交換する予見性のリコールで、対象はデミオDJ5FSの2014年8月〜2017年10月製造など。公式ページに期限は書かれておらず、2023年にも適用された例がありました。2017年11月以降のデミオ後期やMAZDA2は対象外です。CX-3の1.5Dは2018年5月の改良で1.8Dに替わったので、該当するのは初期型だけになります。
どうやったら直るか
軽いうちの対処
DPFの警告が点灯しただけなら、時速20km以上で連続して走って自動の再生をさせる、診断機で強制再生をかける、ディーゼル用の添加剤を入れる、といった対処で戻ることがあります。点灯したまま乗り続けると点滅に進み、アイドリングストップができない、燃費の悪化、リミッターのような加速不良、最悪はエンジン停止という段階に進むとされていました。強制再生を630回繰り返してO2センサーが焼けた例もあります。
煤取りとインマニ、インジェクター、DPF
吸気の煤取りは、分解清掃、超音波、ドライアイス洗浄などの方法があります。1.5Dのインテークマニホールドは水冷のインタークーラーと一体の樹脂製で漬け置きができず、歪みもあるため、インマニごと交換するのが定番でした。インジェクターは1本だけの交換もでき、交換後に燃料噴射量の学習が必要です。DPFは脱着しての洗浄か、新品交換。洗浄は交換の半額ほどという説明が多く聞かれました。リコールで直したあとに再生間隔が縮んで再発した例や、原因がオイル消費でエンジンとターボの交換まで必要になった例もあり、煤だけを見ていると見落とす原因があります。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| デミオ 多走行 | 予見性リコールでインジェクター交換 | ディーラー | 0円 |
| デミオDJ(2023年) | バルブスプリング・インジェクター交換(リコール適用) | ディーラー | 本来211,447円が自己負担34,408円 |
| デミオDJ | インジェクター1本だけ交換 | ディーラー | 35,731円(部品9,454+工賃23,100ほか) |
| DJ5FS H27 8.3万km | インマニ交換+煤清掃 | 整備工場 | 約6万円(ディーラー見積もり98,300円) |
| CX-3 DK5FW H28 | インマニASSY交換、インタークーラー・吸気の煤清掃 | 整備工場 | 68,189円 |
| 1.5D・1.8D | カーボンクリーニング一式(インマニ交換・ポート清掃・EGR清掃ほか) | ディーラーのメニュー | 88,000円+追加部品 |
| デミオ 2014年モデル | DPF新品 | ディーラー見積もり | 部品152,000円(税別)+工賃 |
| DJ5FS H27 13.5万km | EGR・吸気・DPF・インジェクター洗浄、O2センサー交換ほか(16時間) | DPF専門店 | 341,000円 |
インジェクターは、リコールに該当すれば0円から3万円台、該当しなければ4本交換で18万円前後、1本だけなら3.6万円ほど。インマニの漏れはディーラーで約10万円、民間で6万〜7万円で、部品代そのものは1.3万円ほどでした。DPFまで行くと、ディーラーで30万円前後、民間の洗浄でその半額程度。まず製造年月と警告灯の点き方を確かめ、リコールの対象かを照会するのが最初の一手になります。
同じ時期に重なるもの
煤の修理が必要になる距離のデミオは、ウォーターポンプ(インマニと同時に替えた例あり)、EGRバルブとクーラー、ターボ、O2センサー、吸気圧センサー、オルタネーターのプーリー(10年の保証延長あり)と、手のかかる部品が並ぶ時期です。インマニを外すなら、ウォーターポンプやEGRの清掃を同時に頼むと工賃の重複を減らせます。同じSKYACTIV-Dの2.2LについてはCX-5の記事、ディーゼルのDPFの話はデリカD:5の記事でも扱いました。