T31エクストレイルのクリーンディーゼル(DNT31、M9Rエンジン)で、メーターに「DPF再生処理を行ってください」の表示が出た。手動で再生しても、数百km走るとまた点く。ついにエンジンチェックランプまで点いた。DNT31の故障の相談で多いのは、このDPF(すすを集めるフィルター)の再生がうまくいかない症状です。ただ、DPFのランプが点いても、原因がEGRバルブの固着だった例もありました。症状の段階ごとの見分け方と、洗浄から交換までの費用をまとめます。
警告がどの段階かを確かめる
DPFの警告は、段階によって意味が違います。最初の「再生処理を行ってください」の表示と黄色いDPFのマークは、故障ではなく「再生が必要」という通知でした。
| 段階 | 症状 | 考えられること |
|---|---|---|
| 1 | 「DPF再生処理を行ってください」、DPFマーク点灯 | すすがたまった通知。手動再生か高速走行で消える |
| 2 | 再生してもすぐ点く(月2回、400〜500kmごと) | 使い方で再生が終わらない、アッシュの蓄積、EGR・差圧パイプの詰まり |
| 3 | DPFランプとエンジンチェックランプが同時に点く | 再生の失敗が十数回たまる、EGRバルブの固着 |
| 別 | 低速からの加速でエンスト、エンジン警告灯 | インジェクションポンプ(18万kmの例) |
手動再生は、安全な場所に止めて、ブレーキを踏まずにハンドル右下のDPFスイッチを長押しする方法。回転が約2,000rpmで固定され、20〜30分で終わります。騒音と排気の臭いが強いので、場所は選びたいところ。高速道路などで20〜30分走り続けても、自動で再生されます。
DPFのランプでも原因はEGRのことがある
DPF本体と差圧パイプを掃除してもランプが消えず、診断アプリで「EGRシステム不合格」と出た相談がありました。回答者は、EGRバルブが開いたまま固まると排気の温度が上がらず、DPFが再生できないと説明しています。平成20年式の20GTでも、DPFランプとエンジンチェックランプが同時に点き、再生の失敗の履歴が十数回残っていて、原因はEGRバルブの固着でした。ランプがDPFでも、DPFだけが悪いとは限りません。診断を先に受ければ、交換を避けられる場合があります。
詰まりやすい使い方
いちばんの原因は、短い距離や街乗りが中心の使い方でした。片道15kmの渋滞通勤、片道20分の通勤、コロナ禍の3年間の近場ばかり、といった使い方で、排気の温度が上がらず再生が終わらない。洗浄の専門店によると、長く使うほど燃え残りのアッシュが固まって増え、再生では取り除けなくなるそうです。中古で6.6万kmで買って1,000kmで再生ランプが点いた例や、10万km前後で再生が頻繁になった例がありました。知恵袋には「初期型はエンジンは丈夫でもDPF関係のトラブルが多い」という声もあります。
どうやったら直るか
安い順の直し方
直し方は、手動再生や高速走行(0円)、添加剤、車に付けたままの洗浄と強制再生、DPFを外して専門店で分解洗浄、EGRや吸気系まで含めたまとめての洗浄、DPFの新品交換、という順に費用が上がります。分解洗浄では、DPFを切断して高圧で洗い、3日乾かしてから溶接と塗装で戻す工程でした。ディーラーがDPFの交換を勧めたものの、民間の整備工場で洗浄して再生できるようになった例もあります。
交換しても再発することがある
2011年式では、DPFを交換したのに、その後かえって再生の頻度が増えて月2回になった例がありました。使い方が変わらなければ再発する、というのが回答者たちの見方です。交換で外したDPFを専門店で洗って予備に取っておいたオーナーもいました。警告を無視して300km走った例や、放置すればエンジンが止まるおそれがあった例もあり、段階3まで進んだら早めに見てもらうのが無難です。
オイルの規格
日産の案内では、M9Rのオイルは規格ACEA C3・粘度5W-20、交換は1年または1万kmごと、量は7L強。ガソリン車用のオイルとは規格が違います。16.5万km乗っている人が、ACEA C3の別銘柄に替えてから再生の警告が出なくなったと書いていましたが、個人の感想です。
直すにはこれくらいの費用がかかる
| 車種 | 内容 | 店 | 金額 |
|---|---|---|---|
| DNT31 | 手動再生 | 自分で | 0円 |
| DNT31 | DPFを外して分解洗浄(返送料込み) | 洗浄の専門店 | 63,800円 |
| LDA-DNT31 | DPF洗浄+強制再生+診断+インジェクタークリーナー(6時間) | 整備工場 | 74,030円 |
| LDA-DNT31 H22 | DPF・吸気・燃料系の洗浄+燃料フィルター(4時間) | 整備工場 | 106,000円 |
| T31 2011年式 | DPF交換 | ディーラー | 19万円(交渉で日産が負担) |
| T31 2013年式 10万km超 | DPF交換 | ディーラー | 約20万円 |
| LDA-DNT31 H20 20GT | DPF・EGR・吸気・インジェクター・ターボの洗浄(10時間) | 整備工場 | 237,600円 |
| T31 ディーゼル 18万km | インジェクションポンプ交換 | — | 265,587円 |
洗浄なら7万〜11万円、ディーラーでの交換は19万〜20万円、EGRまでまとめて洗うと民間でも24万円近く。2011年式の例では、交渉の結果DPFの交換費を日産が負担しましたが、保証延長の制度ではなく個別の対応と読めました。DNT31のDPFやEGRについてのリコールやサービスキャンペーンは、日産の一覧を確認できず不明のままです。ターボやインジェクターの交換の実例は見つからず、出てきたのは洗浄の作業だけでした。
同じ時期に重なるもの
15年・22万km乗ったオーナーの記録では、修理費は合計82万円ほど。中身はインジェクションポンプ(18万km)、フロントのロアアーム(14万km・5.8万円)、ハブベアリング(18万km・7.3万円)、エアコンのエバポレーター(18万km・13.4万円)、オルタネーター(18万km・5.4万円)と、DPF以外の部品が続く記録です。ディーゼルの煤はデリカD:5の記事やCX-5の記事、ガソリンのエクストレイルのCVTはエクストレイルのCVTの記事にまとめました。