ミラジーノを中古で買って、「タイミングベルトは替えてありますか」と聞かれて答えられなかった。あるいは、セルは回るのにエンジンがかからない。ミラジーノは初代(L700S)も2代目(L650S)も、EF型というタイミングベルトのエンジンを積んでいます。同じ時期のミラはチェーンのKF型に変わっていて、ジーノもチェーンと思われがちですが、全車がベルトでした。交換の費用は民間で6万円前後。切れたときの症状と、見積もりの読み方をまとめます。

ベルトが切れたかどうかを確かめる

タイミングベルトは、前ぶれなく突然切れるのが基本です。JAFも「何の前触れもなく」切れると説明していて、走行中に切れるとバルブが動かなくなり、エンジンが止まります。「ずれたりちぎれたりすると一発でエンジンが止まる」と書いた整備工場もありました。

症状 考えられる原因
セルは回るのに、かかる気配(初爆)がない タイミングベルト切れ
セルが回らない、回りが弱い バッテリー、スターター
ゴロゴロ、シャーという回転音 テンショナーやウォーターポンプの軸受け
冷却水の漏れ、減り ウォーターポンプ

「クランキングはするのに初爆がない」というジーノの相談がありました。セルが元気よく回るのにまったくかからないときは、ベルト切れも疑って、無理にセルを回し続けないほうがよさそうです。ベルト自体は切れる前の予兆が少ないものの、テンショナーやポンプの音、ポンプからの冷却水漏れが、交換のきっかけになっていました。2代目L650Sの交換時に、ポンプの漏れが見つかった例もあります。

ミラジーノの型式とエンジン

初代のL700S(2WD)・L710S(4WD)は1999年3月〜2004年11月で、EF-VE(自然吸気)とEF-DET(ターボ)。2代目のL650S(2WD)・L660S(4WD)は2004年11月〜2009年4月で、EF-VEと4ATに一本化されています。チェーンのKF型が載ったのはL275系のミラ(2006年〜)以降で、ジーノには一度も載りませんでした。2代目のDBA-L650S(H18)でもタイミングベルトの交換記録が複数あります。

切れたらバルブはどうなるか

ベルトが切れるとピストンとバルブが当たるかどうかについて、EF型は当たるとする回答が知恵袋にありました。「間違いなくする。バルブの軸やガイドまで曲がり、ヘッドを降ろしてのオーバーホールになる」という回答もあります。ただし、これは一般の回答者の発言で、メーカーや整備工場が明言した資料は見つかりませんでした。JAFも一般論として、ピストンとバルブが当たってエンジンが深刻なダメージを負うこともあるとしています。少なくとも、ベルトを替えるだけで元通りになる前提では考えないほうが安全でしょう。切れたあとの修理費の実例は見つかっていません。

交換の目安

交換の目安は10万kmごととする整備工場が多く、JAFは8万〜10万km。オイル漏れでベルトにオイルが付くと強度が落ちるので、8万km弱で交換した例もありました。カムやクランクのオイルシールからのにじみが原因になりやすく、シールを同時に替える理由になっています。2000年式のジーノを7.7万kmで買って、約7か月で切れたという相談も。中古で買ったジーノは、交換のステッカーや整備記録で履歴を確かめるのが先決です。約20万kmで2回目の交換をした2代目、19.8万kmで交換した初代と、長く乗られている車でもありました。

どうやったら直るか

予防交換とセットで替える部品

直し方は、切れる前の予防交換が基本。タイミングベルト、テンショナー、ウォーターポンプ、カムとクランクのオイルシール、補機ベルト3本(ファン、エアコン、パワステ)をセットで替えるのが標準でした。サーモスタットや冷却水の三又のパイプも同時に替えた例があります。作業はプロで約2時間から、1〜2日の預かり。

初代L700Sを扱った整備工場は、エアコンのベルトのボルトが狭くて緩めにくいこと、オルタネーターの取り付けステーに亀裂が入って折れる持病があることを挙げ、作業のときに点検していました。自分で替えた人の記録では、ポンプを外すときにカム角センサーを壊しやすい、クランクプーリーのボルトは軽のスターターでは緩まないことが多い、といった注意も。切れてしまった場合は、ヘッドを降ろしてのバルブ交換か、中古・リビルトエンジンへの載せ替えになります。

直すにはこれくらいの費用がかかる

車種 内容 店 金額
GH-L700S H12 10万km ベルト+ポンプ+補機ベルト3本(工賃24,800円、2時間) 認証工場 58,652円
L700S 8万km弱 ベルト、テンショナー、ポンプ、シール、補機ベルトの8点 整備工場 約60,000円
DBA-L650S H18 約20万km ベルト一式(2回目) 整備工場 66,000円
ジーノ 10万km超 ベルト一式+ポンプ+サーモスタット 整備工場 74,690円
ジーノ 21万km 全部品交換 回答者の実績 79,000円
2代目 9.3万km ベルト+ポンプ 見積もり 90,000円(回答では「高め」)
ジーノ ベルト+ポンプ 見積もり 95,000円(回答では「高い」)

シールや補機ベルトまで含めて、民間なら5.5万〜7.5万円が中心。9万円を超える見積もりには「高い」「町の整備工場なら5万円ほど」という回答が並んでいました。金額を比べるときは、テンショナー、シール、補機ベルトが含まれているかを内訳で確かめると、高い理由が分かります。ディーラーの金額は見つからず、ダイハツのリコールページも今回確認できていません。

同じ時期に重なるもの

ベルトの交換時期のジーノは、ウォーターポンプ、テンショナー、オイルシール、サーモスタット、オルタネーターのステー、スロットルの汚れ、オイルパンの漏れと、ほかの部品も順番が来る頃です。ダイハツのポンプはタント・ムーヴの記事、ベルト全般はタイミングベルトの記事、セルの不調はスターターの記事にまとめました。